Diary-T 254 LiLyへの道
まったく絶妙だ。
もう駄目だろう。いくらなんでももう駄目だろう。
あきらめかけたそのとき、すっと差し出される救いの神。
LiLy Frankyという存在の魅力はその救いにあるのかもしれない。
神の存在を、今日だけは、今だけは、と。
神頼みする私たちの弱気心を見破るように、
彼は誠に見事にジャストのタイミングで、
手を差し伸べてくれる。
では、ここまでを、もう少々解析解釈してみることにしよう。
まず。何かをお願いする気持ち。
すべてはここから始まるのです。
つまりこの場合、
「Rokin'Arrow」のデザインをLiLyへ依頼すること。
そうはいっても、間違いなく忙しい方だから、
お願いするのは無理だろう…。
そうつぶやきながら同時に諦めの気持ちを反芻している。
嫌、そんな弱気は駄目だ。気持ちを込めてぶつかろうよ。
せめて趣旨だけでも聞いてもらおう。と弱気を封じ込めるやる気の勃興。しかしこの段階で既に心の隅に駄目が宿っている。
そんな揺れ動く私の気持ちをよそに新人スタッフは動き始めている。
結果。
色よい返事。
茂一さんによろしく、と。伝言まで。
ほぉ~それは良かった。良かったじゃないか。
…しかし、一筋縄ではいかないよ。
心を込めてぶつかっていかないとね、
あとでどんでん返しになるといけないから。
慎重に、丁寧に、進めてね。
…そして〆切り、まじか、担当者連絡を開始するが、
なしのつぶて、担当者もじりじりし始め、繰り返しメイルを送る…そして連絡が途絶えた。
しだいに担当者にも脂汗が流れ始める。
それを打ち消す心のザワツキからか、冷たい催促メイルが繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、
遂には担当者、青い顔で連絡が取れないんです。と。
…といって冷たいメイルを送るのは逆効果ではないか?
相手の立場を考えて、どうするべきかをよく考えること、待ち詫びる思いを、どう相手に伝えるか…どう行動するか?ここからが本当の仕事ではないか…メイルと電話で仕事をした気になるのはね……そこはかとなく仕事の意味を示唆するが…漂うのは冷たい空虚感……うん、では、私からもお願いしてみるよ…
よろしくお願いします~。が…状況は一歩も変わらず。
台割を修正し直す日々が続く…もし届けば表紙の案もあったが…連絡は途絶えたままだ………
うん?何を思ったか担当者労働基準法を楯にいきなり退職を敢行。…ぽっかり空いた空白の時間。
よし、もう、ここまでだな、もうこれ以上は待てないな。
表紙は別案で行こう。そちらも充分素晴らしいから。
では最終台割を決めてしまおう。Oさん、…LiLyの作品は、やはり来なかったよね………、
あっ、リリーさん、昨夜届いてました。今持ってきます。
………、す、す、す、すごいじゃないか。これはすごい。
なんとか表四に出来ないかな、急いで動いてみよう。
…そうか、来たか、まったくたいしたもんだね、素晴らしいね。う~ん、これでまたやる気が出る…。
いい作品は、ひとの心を励ますよね…感涙。
LiLyは、やっぱりすごいねコール、LiLyはすごい!コールは自分を励ますエール也。…実はこのプロジェクト途中で営業が降りたりと…どこにボタンの掛け違いがあったのか?いつしか難攻不落なプロジェクトになってしまっていたのです。もちろん私の拙さ故なのですが…。しかし、それにしても。このどんでん返しは本当にうれしい。
きっと成功させる。かならず成功させる。
決して私はアキラメナイ。
弱気を元気に変えてくれたLiLyに感謝だ。
しかもありがたいことに今回の参加者が次々と励ましのメイルを私に送ってくれる。みんなに素直に現状の厳しさをお伝えしてよかった。ディクショナリーを続けろと…
そうなんです。正しいこと。ってマニュアルには書いてないんです。自分で見つけるしかないのです。周りにいるみんなが幸せになるにはどうすればいいか自分で懸命に考えるしかないんです。法律にも、行政の窓口にも、正しいことって、書いてないんです。だって、自分がやりたくて来て、条件を何度も確認して自らすすんで始めたことでしょう。思い通りにいかないからといって、やらなくていい理由や、出来ない理由を探す前に、動くことです。考えることなのです。だってAfter311以降、私たちは考えることを止めない。それを確認する為に始めたのが、この、Rokin'Arrowなのですから。
そう、この素晴らしい作品を仕上げるまでに、
LiLyがどれほど考え行動したか?
少し想像力を働かせば分かることです。
マニュアル通りに描く作家からは、
私たちは喜びや感動は得られません。
たぶんどんな仕事もそうだと思います。
LiLyへの道
○○への道
今回もまたちびっと高い山を上った感じです。
へこたれずに進もう。
はい。自分に言い聞かせています。
リリーに感謝。
このプロジェクトに参加してくれた皆さんに感謝。
ニュー・ビギニング、ここからです。
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