Diary-T 166  Many Orders
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2015年5月8日

Diary-T 166  Many Orders

Diary-T

Diary-T 166  Many Orders

文・アートワーク=桑原茂一

11月18日から20日まで 「多賀網代文化展」が熱海市起雲閣で開催されます。

15組の多賀・網代を主に活動している作家が展示します。
19日は作家によるトークショー
20日は Eatable of Many Orders のファッションショーが
11:00と14:00の二回行われます。
16:00からは宮沢賢治花巻市民の会代表・阿部弥之さんによるレクチャー
「3.11と宮沢賢治」も行います。

ファッションショーは阿部さんによる「銀河鉄道の夜」の詩の朗読と賢治の提案した四重奏用の譜面を使った、椿四重奏団による演奏を組み合わせた試みから構成されます。是非この機会を逃さずに熱海に足をお運びください

2012 Spring /Summer Collection

'Fissionable Astronomy / Night of Milkyway Railroad'
Fashion Show 20th November 2011

11:00 / 14:00 at KIUNKAKU Atami (起雲閣、熱海市)

起雲閣
http://www.city.atami.shizuoka.jp/2nd/kiunkaku/

丁重に一枚丁寧に一枚精魂込めてつくられた

Eatable of Many Ordersのファッションショーである。

ファッションに求められているものが大きく変化している時代に、

この新たな試みはファッションが向かうもうひとつの役割かも……

戦後の復興を担った過酷な労働者の慰安という名目で非日常を演出しどんちゃん騒ぎを繰り広げ勃興した熱海という街の繁栄と衰退とを顧みることで今日の日本の熱海の現状をちゃんと認識しようとすればするほど

この起雲閣で催されているほんわかしたムードとのギャップに私の心も
昨夜とはうってかわった晴天のようにおvacantだったのであった。

衰退した街を活性化しよう。文化の推進を促そう。

そんなキーの高いかけ声が湯煙の奥から聞こえてくる。

市長と明記された名札を胸に掲げた若き市長がその起雲閣の芝生の上を斜めって、

この催しを記録に残そうと懸命にシャッターを押していた姿が初々しかったわ。

もしかしたらロバート・アルトマン監督の映画の出来事のようなことが舞台裏ではきっと行われていたのではないあるかもね。

そういえば、この起雲閣が私のお気に入りの南青山にある根津美術館とリンクしていたのは晴天の霹靂だったが、次々と集合する観光客たちは、この稀に見る高級な美の催しであるファッションショーをどのように受け取ってくれていたのだろうか。

これをHIファッション?と呼ぶべきものかどうか否定的な意味ではなく私には分からないが、

真に美を追究するクリエーターたちがこの熱海に存在し発信していることをしっかり私は認識させて頂いた。

で、朽ちていく過去の美を愛でることも愉快なことだが……

日本の地方行政も熱海も、例えば横浜などのように、
日本が誇るべきファッション文化をようやく受け入れることが出来たのだとこの場は素直に喜びたい・

それにしても贅沢な時間だった。
レベルの高いファッションショーを拝観できたこと。
ぬくもりのある晴天のなかほんわかとした時間を芝生に寝転んで憩いの時間をもてたこと。

誠に人生に感謝したい。

花の絵が届いた。

絵はなにもいわないけれど、描いたひとのオーラは宿っている。

私の仕事場のオーラも昨日とは少し違うオーラが漂い始めたようだ。

そう窓から観る紅葉も同じように見えて昨年とは随分違う。

その随分違うことを目を細め楽しめることが今日を満喫する手立てだから。

行動すること。愉快が待ち受けている。 たぶん也。

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