松浦俊夫|スキャンダラスなカリスマの華麗なる人生を描く快作『ゲンスブールと女たち』
Lounge
2015年4月20日

松浦俊夫|スキャンダラスなカリスマの華麗なる人生を描く快作『ゲンスブールと女たち』

松浦俊夫|from TOKYO MOON 5月16日 ON AIR

イギリス発、注目の女性シンガー新作と
スキャンダラスなカリスマの華麗なる人生を描く快作『ゲンスブールと女たち』

日曜の夜、上質な音楽とともにゆったりと流れる自分だけの時間は、大人たちの至福のとき。そんな豊かな時間をお届けするのは、DJ松浦俊夫によるラジオプログラム『TOKYO MOON』──。彼が世界中から選りすぐったすばらしい音楽や知的好奇心を刺激する大人のためのトピックスを、毎週日曜日Inter FM 76.1MHzにて19時からオンエア。ここでは、毎週オンエアされたばかりのプログラムをお届けします。今週はいま注目したいシンガーと、没後20周年を迎えたアーティスト Serge Gainsbour(セルジュ・ゲンスブール)の伝記映画『ゲンスブールと女たち』を紹介しました。

Text by MATSUURA Toshio

昨年夏に出会った思い出深い一曲

今回は間もなく発売になるオランダのシンガーソングライター Benny Sings(ベニー・シングス)の4作目『Art』から、緑と光が溢れる心地よいこの季節にぜひ聴いてほしい楽曲をご紹介。また、スウェーデンで生まれ、現在ロンドンを拠点に活動する実力派シンガー Fatima(ファティマ)の美しい歌声を、そしてスペインとブラジルからは国民的シンガーふたりによる1960年代から70年代にかけてリリースされたユニークな作品をお届けしました。とくにブラジルのClaudia(クラウヂア)の楽曲は、この春に発売されたイタリアのDJ/プロデューサーのNicola Conte(ニコラ・コンテ)が選曲したコンピレイションに収録されたもの。

Fatima / Follow You

Fatima / Follow You

昨年夏にDJの須永辰緒さんと3人で国内ツアーで北海道をおとずれたさい、移動中の車内で私のノートブックとデータ通信端末を使ってネットでディスカバーしたものなので思い出深いですね。楽曲としてすばらしいので、その後私もオリジナルの7インチを入手しました。

Benny Sings / Art

Benny Sings / Art

REVIEW|TRACK LIST

01. Fatima / Innervision (Eglo)
02. Submotion Orchestra / All Yours - Jack Sparrow remix (Exceptional)
03. Os Mutantes / Portugal De Navio (Polydor)
04. Caroline Henderson / Fever (Copenhagen Records)
05. Claudia / Macumba (Far Out)
06. Nuria Feliu / Josue va Conquerir Jerico (Edigsa)
07. Serge Gainsbourg / L'eau A La Bouche (Philips)
08. Serge Gainsbourg / Couleur Cafe (Philips)
09. Anna Mouglalis / La Javanaise (Universal)
10. Benny Sings / Downstream (Victor Entertainment)

フランスきっての伊達男セルジュ・ゲンスブールの伝記映画『ゲンスブールと女たち』

トピックでは今年没後20周年を迎えたアーティスト Serge Gainsbour(セルジュ・ゲンスブール)
の大いなる才能と華麗なる女性遍歴にスポットを当てた伝記映画『ゲンスブールと女たち』を取りあげま
した。コミック作家によるユーモアと少し毒のある大人のファンタジーでありながら、ミュージカルのよう
でもあるフランスならではの作品だと思いました。先日、イベントで来日中のJane Burkin(ジェーン・
バーキン)さんとお目にかかったばかりだったので、とても感慨深かったですね。

映画『ゲンスブールと女たち』01

映画『ゲンスブールと女たち』02

©2010 ONE WORLD FILMS-STUDIO37-UNIVERSAL PICTURES INTERNATIONAL FRANCE - FRANCE 2 CINEMA - LILOU FILMS - XILAM FILMS

ストーリー
1941年、ナチス支配下のフランス、パリ──時代を取り囲む暗澹たる空気のなかで、ユダヤ人の両親のもとに生まれたリュシアン・ギンズブルグ(のちのセルジュ・ゲンスブール)は、ピアニストの父から受ける厳しい音楽のレッスンに辟易し、煙草を吸い、大人とも対等に渡り合う一風変わった少年。そんな彼の最大の武器は芸術の才能。
成長したリュシアンは、バーのピアノ弾きとして働きながら美術学校に通う。そこでサルバトール・ダリの愛人と出逢い、一夜をともにする。これが彼の華麗なる女性遍歴のスタートだった。その後リュシアンは絵画の道を捨て、音楽の道で生きていくことを決意。「リラの門の切符切り」でメジャーデビューを飾ったのち、ゲンスブールはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いでスターダムへと上りつめていく。
フランス・ギャル、ブリジット・バルドー、ジュリエット・グレコ、ジェーン・バーキン、ヴァネッサ・パラディなどの才能を開花させ、ハンサムとは言えない風貌ながらも独特のダンディズムで数々の女性たちに愛されたフランスきっての伊達男。その破天荒でセンセーショナルな生涯、そして今なお色褪せることのない伝説が、数かずのシャンソン、ジャズ、フレンチ・ポップに彩られスクリーンに甦る──。バンドデシネ(フランスのコミック)作家ジョアン・スファール初監督作品。

『ゲンスブールと女たち』
原題:GAINSBOURG(Vie heroique)
公開日|5月21日(土)
Bunkamuraル・シネマ、新宿バルト9他にて全国ロードショー
配給|クロックワークス
http://www.gainsbourg-movie.jp

松浦俊夫『TOKYO MOON』

毎週日曜日24:00~24:30 ON AIR
Inter FM 76.1MHz

『TOKYO MOON』へのメッセージはこちらまで
moon@interfm.jp

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www.interfm.co.jp

           
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