萩原輝美|クリスチャン・ラクロワによる“21世紀版”スキャパレリ
萩原輝美のファッション・デイズ vol.88
華麗なる復活の仕掛け人はトッズ創立者、デッラ・ヴァッレ氏
クリスチャン・ラクロワによる“21世紀版スキャパレリ”
テュイルリー庭園を見渡す美術館、パヴィヨン・ドゥ・フロール館のサロンにて、1920~50年代に展開されたブランド「Schiaparelli(スキャパレリ)」が復活。デザイナーにクリスチャン・ラクロワを迎え、18体からなるコレクションが発表された。
Text by HAGIWARA Terumi
ロジェ ヴィヴィエに次ぐクチュールメゾンのヘリテージ再生
7月パリ・クチュールコレクションでスキャパレリが復活です。スキャパレリは1920年代から50年代のオートクチュール界をリードした前衛的なデザイナーとして知られています。その21世紀版スキャパレリに抜擢されたのは、クリスチャン・ラクロワです。
フーシャピンクにグリーン、ゴールド。当時の突飛なアイデアを盛り、斬新なスタイルを発表しました。今回は復活を記念したプレゼンテーションで、作品はすべてモード美術館に展示。来年2月のパリコレでは、プレタポルテを発表するそうです。スキャパレリ復活を仕掛けたのは、イタリアの実業家、トッズの創立者でもあるデッラ・ヴァッレ氏です。ラグジュアリーシューズのブランド、ロジェ ヴィヴィエに次いで、フランスのクチュールメゾンのヘリテージ復活に力が入っています。
そんなロジェ ヴィヴィエの2014年春夏ランデヴーコレクションはビニールプリントにビーズやラインストーンを散りばめた、透明感とキラキラ感あふれるポップな新作が揃いました。コンマ( , )ヒールはディオールでも登場しています。このコンマヒールは60年代ロジェ ヴィヴィエがディオールコレクションのために作ったデザインです。クチュールブランドの復活、今後も楽しみです。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/