DIOR|メゾンと印象派の繋がりに迫る展覧会を開催中
ノルマンディー印象派フェスティバルの一環として開催
メゾンと印象派の繋がりに迫る展覧会
仏グランヴィルにあるクリスチャン・ディオール美術館では、オートクチュールと印象派との関連性を探る「インプレッション ディオール(Impressions Dior)」展を開催中。初期のクリエーションから現在のデザインまでを、印象派の貴重な絵画と比較するように展示。その関連性を紐解いていこうというものだ。
Text by KUROMIYA Yuzu
70着以上のドレスが登場
9月22日(日)まで開催される「インプレッション ディオール」展では、ディオールのメゾンと印象派のムーブメントのあいだに生まれた不変の結びつきをテーマに、1947年から1957年までのムッシュ・ディオールが発表した初期のクリエーションと、その後メゾンに就任した後継デザイナーたちの作品を一堂に集めて展示。パリのオルセー美術館などから貸し出された、モネやドガ、ルノワールなどの貴重な印象派の名画と、70着以上のドレスを並べて展示し、その関連性を探っていく。
この展覧会では、ムッシュ・ディオールが幼少期を過ごしたグランヴィルという環境が、いかに印象派のアーティストたちが探し求めた風景を反映しているか、そしていかにムッシュ・ディオールのクリエーションに多大な影響を与えていたかを明らかにしている。
1947年にムッシュ・ディオールがデザインした「ニュールック」は、「花のような女性」をドレスで表現するというアイデアを形にしたもの。この革命的なシルエットは、花と茎の形からインスパイアされている。ムッシュ・ディオールと後継者であるデザイナーたちは、クロード・モネの「草上の昼食」のふんわりと広がったクリノリンの入ったドレスや、ジョルジュ・スーラの「ラ・グランド・ジャット島の日曜日の午後」で描かれた女性たちのバッスルドレスなど、印象派時代のファッションに再解釈をくわえ、あらたな魅力を引き出した作品を発表。
展覧会の最後では、歴代のアーティスティック・ディレクターたちが、クチュールデザインのなかに自分のお気に入りの画家の作品を取り入れた服を並べて展示し、印象派の巨匠たちに敬意をあらわしている。
また、服飾史家であり、この展覧会のキュレーターも努めるフロランス・ミュレールが監修した「インプレッション ディオール」展のカタログも出版。印象派の芸術とオートクチュールとの結びつきをテーマに、対象となる作品をさらに深く掘り下げていく。
絵画とそれに対応するドレスを並べて展示し、両者が共有する繋がりを紐解いていく今回の展覧会。ディオール歴代のクチュールドレスを、また違った視点から楽しむことができそうだ。
「インプレッション ディオール」展
場所|クリスチャン・ディオール美術館
期間|5月4日(土)~9月22日(日)
開場時間|10:00~18:30
入場料|7 ユーロ
住所|1 Rue d'Estouteville, 50400 Granville, France
Tel. +33-(0)2-3361-4821
http://www.musee-dior-granville.com/