TOGA|2011年春夏コレクション 曲線美に宿るフェティシズム
TOGA|トーガ
2011年春夏コレクション 曲線美に宿るフェティシズム
日本のみならず世界にも多くファンをもつTOGA(トーガ)。2011年春夏コレクションでは、透け感のある素材やレオパードプリントを多用し、曲線をパズルのように組み合わせて表現されたフェティッシュなアイテムが揃った。
Text by OPENERS
Afternoon of Faun(牧神の午後)
空中で静止しているかのような抜群の跳躍、そして中性的な身のこなしがトレードマークであったロシアのバレエダンサー/振付師 Vaslav Fomich Nijinsky(ヴァーツラフ・フォミッチ・ニジンスキー)が手がけ、その性的な振り付けのため不評に終わった作品『Afternoon of Faun(牧神の午後)』(1912年)をテーマに掲げたTOGA2011年春夏シーズン。ニジンスキーの振り付けが高く評価されたのはストラヴィンスキー『春の祭典』(1913年)でみせた身体の曲線美を最大限に引き出した表現だった。
それは当時のクラシックバレエ界においてはセンセーショナルであり、初演時にはどよめきが会場を包んだほど。この斬新な提案こそ、バレエ界の新時代を切り拓いたといっても過言ではないだろう。
そんなニジンスキーが打ち出した“曲線美”をパズルのようにつなぎ合わせ展開される今コレクションでは、大胆なカッティングや素材づかい、そしてレオパードプリントを随所にちりばめたフェティッシュなアイテムが登場。TOGAらしい構築的なデザインは今季シースルー素材で表現され、春夏シーズンらしい軽やかさをまといつつ、透ける素肌がなんとも官能的だ。
トレンドに左右されない確固たるスタイルを貫き、日本はおろか世界にも根強いファンをもつTOGAが描くのは、「過去、未来、アヴァンギャルド、あらゆる感覚が混在するフェミニンでありながら複雑な女性像」。そんなイメージがまさに当てはまる今コレクション。ニジンスキーがバレエ界の新時代を切り開いたように、東京から世界のモードシーンへとその扉を開いてきたTOGAのクリエイションに今後も注目したい。
展開店舗
TOGA ARCHIVES
東京都渋谷区恵比寿2-6-25 上田ビル1F
Tel. 03-5475-7031
UNITED ARROWS
Tel. 03-3479-8176
BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS
Tel. 0120-011-031
伊勢丹新宿店
Tel. 03-3352-1111(大代表)
OPENING CEREMONY
Tel. 03-3462-6111(代表)
RESTIR
Tel. 03-5413-3708
銀座三越
Tel. 03-3562-1111(大代表)
ディエチ コルソコモ・コムデギャルソン
Tel. 03-5774-7800
ミッドウエスト
Tel. 03-5428-3171
JR 大阪三越伊勢丹
(2011年オープン)
BRAND PROFILE
デザイナー 古田泰子は1994年エスモードパリ卒業後帰国、CMなどの衣装制作を手がけるなか、97年ブランドを立ち上げる。99春夏シーズンより展示会形式にてコレクションを発表、2001-02秋冬シーズンより東京コレクションに参加。パターンのおもしろさ、オリジナルで作りつづけている生地も注目を集め、評価を得ている。過去、未来、アヴァンギャルド、あらゆる感覚が混在し、フェミニンで複雑な女性像を作り上げる。現在では日本国内に55店舗、海外に約40店舗の卸店がある。なお、ブランド名である“TOGA”とは、洋服の原形である古代ローマ帝国の白いドレープの衣の名に由来する。聖なる衣という意味も持ち合わせている。