坂本龍一|第16回 「好き嫌い」について言いきる
第16回 「好き嫌い」 について言いきる
教授自らの回答ですべて解決! する「上から」言いきる。
1月9日の「Playing the Piano」韓国公演、USTREAMでは夜の部で2万人以上が視聴するなど、ソーシャルメディアを活用したライブ経験を共有する「skmtSocial project(サカモト・ソーシャル・プロジェクト)」は大成功! 今回のお題は、好き嫌い。
回答=坂本龍一Photo by JAMANDFIX
坂本教授、あなたには好きなひと嫌いなひとなどは、いるのでしょうか?
私は嫌いなひとが多すぎて困っています。どうしたら好きになれますか?
自分に原因があると思うべき
そりゃ僕にも好きなひとも、嫌いなひともいますよ。
平凡な答えになるかもしれないけど、この歳になってわかるのは、自分が嫌いになるというのは、自分も嫌われているんだよね。自分に原因がある。だから、あなたに原因がある。
まず怒りや嫉妬を鎮めること。いろんな感情をもたないようにする。難しいんだけど。
自分のことを好いてくれるひとを嫌いになるというのは考えられないでしょ。
教授にとって「いやな音楽」とはどんな音楽ですか。
私には、工夫のないコード進行の曲だったり、工夫のない歌詞だったりは、人気のある曲でも「いや」です。
僕はリゾートが嫌いなのね
子どものころからほとんどの音楽は好きだったんですが、カントリーとハワイアンはずっとなじめなかった。
カントリーはいまでもダメで、たぶんフィドル(弦を擦って音を出す楽器)がダメなのかも。
ハワイアンはなぜ嫌いか判明したんですが、ハワイに行って、ハワイの音楽の歴史をたどったときに、タヒチからハワイに音楽が着いて、古代のチャント(祝詞)などはすごくいい。
それから、鉄道が敷かれてプランテーションの時代になって音楽は変わっていって、20世紀の初頭に、アメリカン人のためのリゾートになって、白人をよろこばせるために、異国情緒を人工的につくったリゾート音楽ができた。
僕はリゾートが嫌いなのね。
カントリーとハワイアン以外は音楽の悪口を言わないようにします(笑)。