G-Star RAW|「RAW for the Oceans」コレクションを発表
デニムで取り組む海洋汚染問題の改善プロジェクト
「RAW for the Oceans」コレクションを発表
オランダのデニムブランド「G-Star RAW(ジースター ロゥ)」は、2014年秋冬シーズンに「RAW for the Oceans(ロゥ・フォー・ザ・オーシャン)」コレクションを発表。アーティストのファレル・ウィリアムス協力のもと、海洋に投棄されたペットボトルを繊維として再利用するリサイクル糸「バイオニックヤーン」を一部取り入れ、デニムを中心としたアイテムを展開する。
Text by IWANAGA Morito(OPENERS)
ミュージシャンのファレル・ウィリアムスがキュレーションを担当
「ロゥ・フォー・ザ・オーシャン」コレクションは、リサイクルペットボトル由来の繊維から作られる上質な糸や生地の開発、製造をおこなっている「バイオニックヤーン社」、海洋環境保全に取り組むコミュニティプラットフォーム「パーリー・フォー・ザ・オーシャン」、そして両者とシーシェパード環境保護団体が2013年に共同で設立した非営利団体「ヴォルテックス・プロジェクト」──これらの連携のもと、ジースター ロゥが展開するプロジェクトだ。
今年の2月、米ニューヨークのアメリカ自然史博物館でジースター ロゥとパートナー各社が開催した記者会見で、米国のシーシェパード環境保護団体やプラスチック汚染連合などの団体が海洋プラスチック汚染の深刻さを訴えた。毎年、漁獲量の3倍ものプラスチックごみが海中に投棄されるなど、海洋プラスチックごみの問題は深刻化の一途をたどっており、早急な対策が求められている。
ジースター ロゥはパートナー各社と連携し、海洋からプラスチックを回収するだけでなく、それらを次世代デニムへとよみがえらせる取り組みを考案した。この「ロゥ・フォー・ザ・オーシャン」プロジェクトにより、すでに10トンもの海洋プラスチックごみが再生されている。
今回のコレクションにおいて、キュレーションをおこない、みずからキャンペーンビジュアルとして登場するなど、積極的な姿勢を見せているのが、アーティストのファレル・ウィリアムス。
彼は、バイオニック・ヤーン社のクリエイティブ・ディレクターを務めており、以前から海洋環境保全を推進してきた人物でもあるのだ。以下、ファレル・ウィリアムスが本プロジェクトに寄せたコメントを掲載する。
「ジースター ロゥとの仕事に迷いはありませんでした。彼らはファッションの領域を超え、デニムの無限なる可能性を切り開くという歴史を歩んできたからです。バイオニックヤーン社は環境への指標を重要視しており、当社の実力を世界に示すうえでもデニムは最適な素材です。ジーンズは誰もが1本はもっているからね!」
機能の改良のみを目的とした従来のハイテク糸とは異なり、バイオニックヤーン社が開発・製造する糸は、環境責任を果たすことを主な目的としている。この糸を使用して、海洋汚染問題の改善に取り組むこのコレクションは、メンズ、ウィメンズをそれぞれに展開。
2014年秋冬より継続的に展開される充実のコレクション
本コレクションを象徴するデザインのひとつに、プロジェクトのマスコット「Otto the Octopus(オットー・ザ・オクトパス)」が挙げられる。キャラクター単体で打ち出すのみならず、オーガニックなそのフォルムを千鳥格子に似たプリント柄へとアレンジしてアイテムにほどこした。ほかにも裾を折り返すとオットーのプリントが見えるパンツなど、ユニークなデザインでアピールする。
コンセプトの根幹をなすファブリックの面では、マザリンインディゴブルーとブラックの濃い目の色合いにソフトな手触りの耐久性に優れた生地を採用。バイオニックヤーン社とジースターロゥという、革新的な両社のコラボレーションを象徴するラインナップといえるだろう。ロゥ・フォー・ザ・オーシャンコレクションは、ジーンズ、Tシャツ、スウェット、キャップなどを豊富に展開。全国のジースター ロゥ ストア及び、オンラインストアにて9月6日(土)より販売を予定している。
ジースター インターナショナル
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