THE WOOLMARK COMPANY|暑い時に暑くない「クールウール」
THE WOOLMARK COMPANY|ザ・ウールマーク・カンパニー
リチャード・ジェームスほか、多くのデザイナーが注目する素材
暑い時に暑くない「クールウール」の秘密
近年再注目されている素材、クールウール(COOL WOOL)。ウールの魅力を世界中に伝えている、「ウールマーク(WOOLMARK)」でおなじみのザ・ウールマーク・カンパニーでは、20年以上の年月を経て、「クールウール」キャンペーンを復活した。以前より格段に進化を遂げた、暑い時でも暑くない「クールウール」の秘密に迫る。
Text by YANAKA Tomomi
爽やかな着心地と豊かなドレープを両立
吸湿性、放湿性に優れ、服の中の温度を自然調節する機能を備えており、夏でも快適に過ごすことができる素材「クールウール」。30年前に大ヒットしたこのクールウールが進化を果たし、リバイバルの兆しを見せている。
「ウールは夏に不向き」と捉えている方もいるかもしれないが、それは誤解。汗や湿気を素早く吸い上げ、同時に外に放出する天然素材のため、冬は暖かく、夏は涼しい。つまりいつでも爽やかな着心地をもたらしてくれる素材がクールウールなのだ。そして、繊維そのものがもつ伸縮性と弾力性により、しわになりにくく、仮にしわになったとしてもスチームを当てれば回復するという、タフな一面も併せ持っている。
そんなクールウールという素材が成立している大きな理由は、ひと言で表すなら技術の革新である。羊毛業者の長年の品種改良により、近年はウール繊維一本一本がきわめて細くなっている。そのファインなウールのもつ控えめな光沢感や風合いをストレートに生かした素材、また、時には強撚糸やクレープ糸に撚り上げ、ドライなタッチと豊かなドレープ感をもつ素材に仕上げることで、より軽く、さらにカンファタブルな着心地が実現するというわけだ。
そして、「クールウール」はポール・スミスやリチャード・ニコル、ジョナサン・サンダース、ルー・ダルトン、クリストファーレイバーン、イー トウツといった著名なブランドのデザイナーたちを魅了し、グローバルにコラボレーションが展開されている。なかでもデザイナーのリチャード・ジェームスは、2014年の春夏コレクションでクールウールに注目。ウール100%のクールウール素材に加え、コットンやシルク、リネンなどの天然繊維とウールをブレンドした素材によるテーラードラインやジャージーを使ったカジュアルラインを登場させ、クールウールの素材としての表現の可能性やナチュラルな着心地感を追求したコレクションを発表した。
エレガントなテイストと軽量さを両立したスーツを求めるニーズが増加しているため、秋冬コレクションにおいても、軽さに秀でたクールウールの需要は高まりつつある。つまりクールウールは夏だけではなく、一年を通して活用できる、大いなる可能性を秘めた素材といえよう。
メンズのスーツはもちろん、ウィメンズにおいてもエレガントなフォルムや自然な光沢を生み出し、ファッションにイノベーションをもたらすであろう、進化したクールウール。これからのシーズン、最も注目すべき素材といえる。
THE WOOLMARK COMPANY
Tel.03-6447-1412
http://www.merino.com/cool-wool/