ALARDI 1930|ストラスブルゴ 東京ミッドタウン店で伝統技法を披露
ALARDI 1930|アラルディ 1930
伝統の技法を守りつづけるミラノのレザーブランド
ストラスブルゴ 東京ミッドタウン店でのオーダー会をレポート
イタリアで4世代つづく、イタリア・ミラノの老舗レザーブランド「ARALDI 1930(アラルディ 1930)」。19世紀から引き継がれている伝統的なサドルメイキングや高度なハンドメイド技術、細部にまで行き届いた職人技は、いまもなお当時とおなじ形で商品に反映されているという。先日、ストラスブルゴ 東京ミッドタウン店で催されたオーダー会にて、本国から職人が来日。そのテクニックを目の前で披露してくれた。
Photographs by TAKADA MidzuhoText by IWANAGA Morito(OPENERS)
伝統を背負い、世界とイタリアをつなぐ
贅沢な高級皮革を大胆に使用し、独自のレザーアイテムを追求。アラルディ 1930は、イタリアが誇る数多くのレザーブランドのなかで、たしかな存在感をはなつ。鞄をメインに、ベルトや靴といった小物にいたるまでを揃え、個性的で洗練されたスタイルを提案している。製品の最大の特徴ともいえるのが、ダイナミックな染料のグラデーションだ。
先日、ストラスブルゴ 東京ミッドタウン店にて、イタリア本国の職人が来日し、レザーグッズのオーダー会がおこなわれた。ブランドのアイデンティティである美しい色合いを生み出す、創業当初からおこなわれてきた伝統技法「TAMPONART(タンポナート)」を実演した。
まだ色の入っていない革に、染料を染み込ませた綿をガーゼで包んだものでたたきながら、色をくわえる。タンポナートとは、“ポンポンとたたく”という意味であり、その通りに、この技法では「たたく」という工程を繰り返しながら、色合いを調整していく。
まずは全体へ均等に色を入れ、中心から離れていくにつれて、濃くなるように仕上げていく。非常にシンプルな工程だが、それゆえに商品の個体差が目に見えやすい。商品の安定したクオリティを維持するためには、職人の熟練した技術が必要とされるのだ。
今回、職人とともにアラルディ 1930の社長、ステファノ・ピエルパオリ氏と、クリエイティブディレクターを務めるパオロ・セッキア氏が来日。ブランドについて語ってもらった。
「このコレクションは、ニューヨークのセントラルパークでアイデアが浮かび、ミラノの工房でかたちになったものです。ブランドのコンセプトはまさしくそこにあり、世界とイタリアをつなぐということ。
また、むかしの革製品のメゾンは、基本的にメイド・トゥ・メジャーであり、ひとりひとりに合わせて、商品を提供していました。わたしたちは現代においても、アラルディ 1930を選んでくれた方々へ、それぞれの個性にフィットした製品をお届けしたいと考えています」
「ブティックや展示会でアラルディ 1930を知り、なにかひとつあたらしいことを経験してもらう、ということが大切だと考えています。今回オーダー会を開催できたのも、ピッティ・ウォモでストラスブルゴの社長が私たちの商品に触れてくれたのがきっかけでした。
私たちはお客様の立場を理解すべきですし、お客様には、生産者の立場を知ってほしい。そのためにも、職人をお店に常駐させるなど、具体的なアイデアも模索しています。
25年にわたって、リサーチや、つながりを作るために、毎年日本を訪れています。日本人のファッション観は、ディテールやサイジングへのこだわりなど、ほかの国と比べてもイタリア人の感性に近いように感じます。ぜひとも一度、私たちの商品を手にとってもらいたいですね」
アラルディ 1930は、レディメイドのアイテムをストラスブルゴ 東京ミッドタウン店にてレギュラーで展開している。