HUM & RAWER|2012-13年秋冬コレクション デビューインタビュー
FASHION / NEWS
2015年2月23日

HUM & RAWER|2012-13年秋冬コレクション デビューインタビュー

HUM & RAWER|ハム アンド ロワー

2012-13年秋冬コレクションでデビュー!

ニュー・ジェネレーションの台頭

男服の歴史とアーカイブに敬意を払いながら、それを悠々と超えて軽快に遊び、表現してしまう新世代がデビューした。ブランド名の「HUM & RAWER(ハム アンド ロワー)」は、HUMAN DRAWER→HUM AND RAWERという言葉遊びだという。デザインを担当する濱田博昭氏は「私たちは服をとおしてさまざまなことに触れてきました。そして、物事にはひとが強くかかわっています。服をとおして人間やその先にあることを描きたいと考えています」と語る。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by HUM & RAWER

私たちは、服をとおして強く生きている

ディレクターの重信太一氏は、高校卒業後、セレクトショップにて販売、某コレクションブランドの商品管理、VMDを経験。またデザイナーの濱田博昭氏は、服飾学校を中退、スタイリストアシスタントを経て、古着などを解体し、独学で服づくりをはじめたという。

――ブランド「ハム アンド ロワー」を立ち上げようと思った理由は?

私たちは、今日の素晴らしい服によってたくさんのことを学んできました。ひとは、なにかによって影響を受け価値観を築き生きているんだと思います。私たちは、服をとおしてひとを描き表現したいと強く思っていました。
服は着るだけでなく、多くの可能性をもっていると思います。デザインだけでなく、音楽、アート、カルチャーなど、さまざまな要素を身近な服をつうじて感じてもらい、豊かな人生観を築き強く生きてもらいたいと思います。私たちもこんな時代だからこそ、服をとおして強く生きています。

――メンズファッションのおもしろさをどこに感じていますか?

規制が多いなかでどう表現するかですね。トラディショナル、テーラーリングはつねに軸にあります。そのなかでストリートやカルチャー、音楽などさまざまな分野のものを取り入れどう伝えていくか。 過去に敬意を払い、いまを体現し、未来へ繋がるプロダクトをいかに提案できるかを表現したい。

――メンズファッションの難しさは?

メンズ、ウィメンズともにいえることだと思いますが、バランスだと思います。ただ見た目が変わっているとか、そういったものが評価される時代ではないと思っています。具体的には、情報の多い時代だからこそ、実際に触れてもらえる機会を増やしたいと思います。保守的過ぎずてもつまらないし、前衛的過ぎずても受け入れてもらえない。

――ブランドのコンセプトは「和音(YAMATOGOE)」だそうですが、その意味するところは?

私たちが創造するうえで、プロセスこそがもっとも大切なキーワードです。ものごとの本質を理解し再考することで、いまを体現できると考えています。存在に意味をもつモノは、時を超え、世代を超えて愛され、偽りのない姿には誰しも魅了されます。そこにある“必然の美”と、私たちの観念とが協和したとき、より心地よく豊かな響きが得られます。過去の大切なモノは失わず、つねにあらたな美の創造を追求し、過去・現在・未来の架け橋になるプロダクトを提案していきます。

HUM&RAWER|2012秋冬 04

HUM&RAWER|2012秋冬 07

HUM&RAWER|2012秋冬 09

着るだけでは終わらないクリエイションを

――デビューコレクションのテーマは?

今回のテーマは、“FARTHER(もっと遠くへ)”です。アメリカの詩人・小説家で、ビートを代表する作家の一人ジャック・ケルアックの作品「On The Road」にインスパイアされたコレクションです。 私たちのコレクションをとおして、その文化に触れてほしいと思っています。前に進む力こそ、現在に必要だと感じました。

――デビューコレクションでアピールしたいアイテムは?

リバーシブルのブルゾンとリバーシブルのコートです。表裏で人間の二面性を表現しています。表がトラディショナルな佇まいなのに対し、裏は反抗的でパンクなイメージを――精神性、テクニック、素材感ともにおもしろいモノができたと思います。
リバーシブルのブルゾンは、ジャック・ケルアックがシャツを2枚着た上からスイングトップを羽織っている姿からヒントを得たアイテムで、ひとつで重ね着したように見えるデザインになっています。
リバーシブルのコートは、表のデザインはピーコート、裏は50年代のDポケットのライダースになっています。腰の部分がセパレートになっていて、ロング、ショートでの着用が可能で、フードも取り外しできます。裾のスナップボタンを外すと、モッズコートのようなシルエットも楽しめます。

――では、それぞれからメッセージを。

濱田 コレクションをとおして、たくさんの方に何かを感じていただけたらと思っています。ファッションとしてはもちろん、着るだけでは終わらないクリエイションをこれからも目指してモノづくりに励みたいと思います。

重信 ブランドの発足にあたり、心の底から1人では何もできないことを改めて感じました。パートナーや、たくさんの方々に支えていただいていることに日々感謝しています。若いブランドですが、精進し真面目に取り組んでいきます。

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Porta PR
Tel. 03-5794-8278

           
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