日本の伝統技術が凝縮した鞄シリーズ
吉田カバン × 前川印傳 × 丸若屋
日本の伝統技術が凝縮した鞄シリーズ
“本然の日本"をテーマに、iPhoneケースやスペイン人デザイナーのハイメ・アジョンがデザインした九谷焼などのプロダクトを製造し、注目を集める丸若屋。このたび、江戸の文化が根強く残る東東京の職人たちとの新作を発表した。
Text by TOYODA Kouji
いまも昔も“ハイカラさん”たちに愛されるプロダクト
丸若裕俊氏が主宰するプロデュース集団、丸若屋。なめした鹿革に染色を施し漆で模様を描く、「印傳」と呼ばれる工芸を使ったiPhoneケース、石川県の伝統工芸九谷焼と世界的に注目されるプロダクトデザイナー、ハイメ・アジョンによる陶器、さらにはコシノ三姉妹をモチーフにしたこけしなど、ジャパニーズトラディショナルを大切にしたユニークかつ斬新なアイテムを生み出してきた。
今回あらたにプロデュースしたのは、1935年の創業以来、一鍼入魂をテーマに日本製にこだわる老舗鞄メーカー吉田カバンと、浅草に店をかまえ3代にわたって伝統と遊び心を表現する印傳専門店「前川印傳」という、東東京を拠点とする2社と共同製作されたバッグである。
古くから日本人に親しまれてきた生活道具を題材にしたという製品は、トートバッグ、バックパック、3連ポーチの3種類。トートバッグは明治時代に当時の“ハイカラさん”たちに愛された「合切袋」が、バックパックは大きな荷物を運ぶさいに必要不可欠だった「背負子」が、そして、ポーチはおせち料理でもおなじみの「お重」がイメージソース。吉田カバンのたしかな製法によってつくられ、そのすべてに前川印傳によるスペシャルタグが付属する。まさに日本の職人たちに代々受け継がれてきた技術が集約したプロダクトだ。
また、当時の日本人たちの知恵を、現代の機能としてアレンジしたディテールも見逃せない。たとえば、バックパックは表面の帆布生地に撥水加工をほどこし、内部にはノートPC専用のポケットを内蔵。ポーチはコードやUSBなどPC関連機器を効率的に整理することを想定しているという。
日本の伝統工芸として親しんでいるものは、つくられた当時は最先端のプロダクトであり、斬新なファッションだったのかもしれない。島国日本の限られた材料のなかで、しっかりと実用性をもたせ、クールに仕上げる。じつは丸若屋がプロデュースするプロダクトも時代は違えどおなじことなのだ。
なお、これらの製品は5月より丸若屋のオフィシャルオンラインショップにて販売開始予定。また、4月4日(水)~4月9日(月)の期間限定で伊勢丹新宿店にて開催の「ものづくり×ものがたり 日本の手しごと展」にて先行発売される。
丸若屋
Tel.03-3865-7801
http://maru-waka.com/
浅草前川印傳
http://www.maekawa-inden.co.jp/
吉田カバン
http://www.yoshidakaban.com/top.html