23足目&24足目
FASHION / MEN
2015年5月19日

23足目&24足目

#23 今だから話せること

J.FENESTRIER/1982

photo by Jamandfix

シップスがフレンチトラッドの最高峰である「J.M.ウエストン」を扱い始めて、確か「コールハーン」も先にやられてしまって、それでビームスが取り組んだのはフランスの「J.フェネストリエ」(1895創業)と、「JEAN BADY(ジャン・バディ)」(1889創業)でした。

この「J.フェネストリエ」は、パリのエスプリを残したトラディショナルな靴でありながら、ウエストンよりもっと華奢でスマートで美しいという謳い文句で、当時の雑誌などでもかなり掲載してもらいましたね。
ニューヨークのおしゃれな人がウエストンを履くようになったタイミングで、元ウエストンのスティリストが手がけていたのを、パリの展示会で見つけて、飛びついたという。スエードのモンクストラップなどデザインのバリエーションも豊富で、インターナショナルギャラリーで大々的に販売したんですが、当時のお客様には申し訳ありませんが、バイヤーとしては失敗でしたね(苦笑)。ちょっとフライングでした。

ぬめっとしたアリニンカーフで、商品自体は決して悪いものではないですが、履き心地はあまり良くありません。マッケイで、コンクリートだとアタリが痛い。でも僕はよく履いていましたね。これは自分で最初に買った一足です。
当時はおしゃれな人のドレススタイルには茶色で、ライトタンやミッドタンが主流でした。
(1982年/4万8000 or 5万8000円)

#24 二度と履かないつもりが‥‥

Yves Saint-Laurent/2003

photo by Jamandfix

7足目で紹介した「ROSSETTI」以来、二度とヒール靴は履かないだろうと思っていたのを解いてくれたのが、“Y”のステッチがポイントのこのイヴ・サンローランのブーツです。そういう意味ではエポックメークな一足ですね。30年ぶりに元に戻った感じです(笑)。

これは2003年にニューヨークのイヴ・サンローランの店で、茶と黒の2足買いました。着こなしは、ワイドラペルのジャケットにセミフレアのパンツですね。ヒールもそうですが、尾錠付きが好きなんですよ。ただ、このブーツは中途半端な困る丈で、脛(すね)に当たってもの凄く痛い。なのであまり履いてはいません。
サンローランは今でも尊敬しているデザイナーです。これはトム・フォードが手がけたコレクションの靴ですね。
(2003年/8万円)

           
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