MINOTAUR 2013-14年秋冬コレクション
MINOTAUR|ミノトール
ユリー・シュルヴィッツ作の絵本『DAWN(よあけ)』からインスピレーション
ベーシックなアイテムに映える自然の色彩
「MINOTAUR」の2013-14秋冬コレクションがスタートした。ブランドが得意とするファンクショナルでベーシックなアイテム群がさらに進化。都会的な雰囲気に、自然の表情をくわえた温かみのあるコレクションとなった。
Text by IWANAGA Morito (OPENERS)
着飾らなくてもいい
ユリー・シュルヴィッツ作の絵本『DAWN(よあけ)』より着想を得たコレクション。静かな世界のなかで、水面に映る自然がもたらす美しい陰影やグラデーション。そして夜が明けるとき、山や湖は鮮やかな色彩をはなつ――。物語に登場するおじいさんと孫は寒さをしのぐために、毛布にくるまり、焚火を起こす。そしてそこには、生きていくために身に纏う衣類が、当たり前のように描かれていた。
今回ミノトールは、アイルランドの漁師が過酷な環境に対応するために着用していた、フィッシャーマンズセーターのケーブル柄を、ウール地やナイロンにハイテク綿(わた)を組み合わせたキルティングで表現。また、スコットランドが発祥とされるタータンチェック柄を特殊技法「ニードルパンチ」によるグラデーション仕様で製作した。
コートに用いられたギャバウールのような風合いの生地は、撥水、透湿に優れた3レイヤーシリーズ。ミノトールのオリジナルファブリックは、タフで機能的でありながらも天然素材のような質感をもっている。
そして注目すべきはカラーリングだ。ピーコートやウールのシャツに使用した自然の色彩を感じさせる、発色の良いブルーやグリーンは、デザイナーの泉栄一氏が吟味し、自信をもって送り出すブランドのアイデンティティとも言える。
泉氏は今季のコレクションの注目点として「自然体――着飾らなくていいところ」と答えた。すなわち、アイテム自体の完成度が高いため、身に纏う人びとのワードローブに違和感なくマッチするということだ。
ベーシックな着こなしの現代的、都会的なアップデートをつづけるミノトール。今季のアイテムも、見逃せないものばかりだ。
MINOTAUR TOKYO
Tel. 03-6455-1466