adidas|トム・ディクソン 独占インタビュー
adidas|アディダス
話題の「adidas by Tom Dixon」を語る
トム・ディクソン独占インタビュー
今年4月に開催されたミラノサローネで「アディダス バイ トム・ディクソン(adidas by Tom Dixon)」を発表し、大きな話題をさらったアディダスと、イギリスの著名なインダストリアルデザイナーのトム・ディクソン(Tom Dixon)。今回、トム・ディクソンにインタビューできる貴重なチャンスを実現。OPENERS限定のインタビューでトム・ディクソンが語ったこととは……。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
仕事と遊び、昼と夜からなる一週間におよぶ旅のストーリー
――アディダスとのコラボレーションの「コンセプト/テーマ」を教えてください。
内容はバッグをデザインすることでしたが、この「adidas by Tom Dixon(アディダス バイ トム・ディクソン)コレクション」ではストーリーを語るべきだと判断しました。仕事と遊び、昼と夜からなる一週間におよぶ旅のストーリーです。衣服はいろいろな機能を果たし、裏返しに着ることさえできるので、旅行者はあまりたくさん持ち運ぶ必要はないものの、つねにすべてのものを手もとに置いておく必要があります。
――その「コンセプト/テーマ」は何にインスパイアされましたか? 実際的にどんなプロダクトを作ろうとスタートしましたか?
ここで試したかったことは、アディダスがもつ専門知識と最先端テクノロジーを活用して、私がこれまでに経験したいくつかの不便さを解消することでした。寝袋として利用できる長いナイロン製パーカーは、かつてミラノで味わった苦い体験がもとになっています。そのとき私は泊まるところが見つからず、公園で野宿しなければならなかったのです(笑)。私がデザインしたアイテムは、現代のジェットセッターの多忙な生活にぴったりフィットします。コンパクトでファッショナブルかつ機能的です。
――アディダスにはどんな印象をおもちですか?
アディダスのいいところは、単発で終わらせないことです。トレーニングシューズを一つ出したらもうそれっきりというようなことはありません。
――今回のコラボレーションで、アディダスのどんな部分を引き出そうと思いましたか?
このプロジェクトは、テクノロジーと最先端の素材に対する私の情熱に大きく関係しています。アディダスはそうした素材をよく使います。
「トム・ディクソン」らしさは、“シンプルさと無骨さ”にあらわれる
――なぜ、ミラノサローネでローンチし、「MOST」を会場としたのですか?
ファッションとデザインの融合は、私にとってつねに刺激的です。このコレクションについて考えたとき、何かトレンディでスポーティなもの、なおかつ機能的で魅力的なものをつくりたいと思いました。そこで、今回のプロジェクトは、ミラノのデザイン・ウィーク中にMOSTでローンチすることにしました。この博物館には旅にまつわるすべてがあります。19世紀の駅まである。その意味で、このコレクションの精神を真に伝えるのに最適の場所です。
――今回のコラボレーションで、「トム・ディクソン」らしさはどんなところに表現されていますか?
文字通りのシンプルさと無骨さです。スニーカーを例にとりましょう。スニーカーは、サスペンションや、通気孔、接着プラスチック部品、スエード・パッチ、蛍光レースといったじつに手の込んだ仕掛けをよく採り入れます。なかには、20~50もの機能を盛り込んだスポーツシューズもあります!
私は自分の仕事ではつねに、要素をできるだけ少なくすることを目指しています。私に言わせれば、靴の必要不可欠の構成要素はソールとシャフトです。私はファッションデザイナーではありませんから、こうした企業にくわわり、彼らのもつスキルをあらたなやり方で利用するのです。
「adidas by Tom Dixon(アディダス バイ トム・ディクソン)コレクション」は、今年11月中旬に発売を予定されている。
adidas by Tom Dixon
アディダス ファッション グループ ショールーム
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