JOHN LOBB｜ジョンロブCEOが語る「Winner Sport」誕生秘話

JOHN LOBB｜ジョンロブ

「完ぺきなディテールを実現したコラボレーションシューズです」

ジョンロブCEOが語る「Winner Sport」（1）

大きな話題を巻き起こしているジョンロブとアストンマーティンのコラボレーションによる“JOHN LOBB for ASTON MARTIN”新ドライバーズシューズ「Winner Sport（ウィナースポーツ）」の発売を前に、ジョンロブCEOのルノー・ポール＝ドーファン氏が満を持して来日。特別な英国ブランド同士の特別なコラボを熱く語った。

Text by KAJII Makoto （OPENERS）Photographs by SUZUKI Kenta

160年のブランド史上初の、クルマとのコラボレーションです

――ジョンロブのコラボレーションの相手がアストンマーティンと聞いて、「なるほど」と思いました。

ありがとうございます。今回のコラボレーションは、アストンマーティンだから成立したものです。なぜなら、ジョンロブとアストンマーティンのコラボについて「なぜ？」と質問する必要がありません。両者は自然にお互いを受け入れ、共通点が多く、違和感がありません。

――まったくそのとおりですね。今回モデル名に“ウィナースポーツ” と名づけた理由は？

ジョンロブにはウィナーというベストセラーのカジュアルシューズがありますが、今回は、よりスポーティでストロングな印象をあたえる名前を求めました。たんなるコラボモデルではなく、別格で際立つモデル名を。あたらしいソールと、完ぺきなディテールを有したドライバーズシューズとして、ウィナースポーツという名前にしました。

――コラボレーションのきっかけは？

ジョンロブではあくまで製品がスターですが、この“JOHN LOBB for ASTON MARTIN”については、ふたりのデザイナーの出会いからはじまりました。それは、アストンマーティンのデザインディレクターであるマレック・ライヒマン氏と、ジョンロブのクリエイティブディレクターのアンドレス・ヘルナンデスです。

――企画から発売までかかった年月は？

約2年かかりました。私たちは、歴史がありながら革新的な企業文化がとてもよく似ています。その共通点を具現化する共同作業としては当然の日数かもしれません。両者のキャラクターが融合し、大切なパートナーシップを尊重しながら、ディテールが完ぺきに仕上がってこそ価値あるものと認められるからです。

――ファーストサンプルを見たときの印象は？

私は、触ってみたい、履いてみたいとすぐ思いました。アストンマーティンのマレック氏も、クルマの乗り心地とおなじように履き心地を試してくれましたね。ジョンロブもアストンマーティンも、なにより大切なのは、細部をこだわりぬくこと。完ぺきなディテールを求めることに妥協はありません。

――CEOから見たアストンマーティンのイメージは？

トラディショナルでありながら、とても現代的でモダンで、トレンドセッターであり、クールなイメージ。どれもジョンロブと共通していますね。

JOHN LOBB｜ジョンロブ

「デザインに必要なのは、テンションです」

ジョンロブCEOが語る「Winner Sport」（2）

今回の“JOHN LOBB for ASTON MARTIN”モデル「ウィナースポーツ」の大きな特徴は、ジョンロブでは珍しい8色展開と、2本のシューレースが付属すること。箱も特別仕様となっている。

アストンマーティンとジョンロブの“テンション”が宿っています

――ジョンロブで8色展開は異例ですね。

今回のドライバーズシューズの開発にあたって、アストンマーティンのマレック氏は、アストンマーティンの既存のボディカラーのなかからチョイスしました。私もアストンマーティン本社のゲイドン工場を訪れましたが、ものすごい数のカラーパレットを見せてもらったんです。色展開では、ニューテッド（おとなしい）色と、ビビッドな色をそれぞれ4色ずつ、そして、白と赤のソールに決めました。

――CEOがお好きな色は？

そうですね、ひとつ挙げるならブラウン“サドル・タン”でしょうか。ブラウンはジョンロブの色です。もうひとつ挙げるなら、英国的なカラーでアストンマーティンを連想させる“ウエストミンスター・グリーン”のコントラストも好きです。

――どんな着こなしのときに合わせるのがお薦めですか？

クルマをドライブするときはもちろん、レジャーのとき、週末のリラックスした時間などに最適です。カラーによっては、ジャケットスタイルにも合うと思います。

――とくにCEOがこのデザインに惹かれるところは？

アストンマーティンの模型を見てもわかるとおり、優れたデザインにはテンションが必要です。それは靴にもおなじことが言えて、テンション＝緊張、引っ張る力が、デザインに力をあたえます。両者のデザインは本当に似ている部分があると思います。

――ところで、世界的に良質な皮革が枯渇していると聞きましたが。

そうですね。160年の歴史があるジョンロブとしては、優良な皮革サプライヤーと信頼関係を築きながら、母体のエルメスグループのサポートを得て、クロコダイルなどエキゾチックレザーの安定的な供給の努力はつづけています。今回のウィナースポーツも、上質なフルグレインレザーを“レーシングカーフ”という呼び名で使用。これはやわらかいだけでなく、ホールド感がしっかりしている革です。

――夏にはロンドン・オリンピックが開催されますね。

スポーツの祭典ですから、今回のウィナースポーツなどをアピールできる絶好の機会だととらえています。また、こういうコラボレーションをつうじて、将来のジョンロブの顧客になっていただくきっかけになればと期待しています。

――それではジョンロブのファンにメッセージを。

ビスポーク、既製靴、ホームシューズまで、ジョンロブはつねにベストな靴をつくりつづけています。シンプルだけどずっとつづいていく──ジョンロブはタイムレスであることがミッションですが、今回のようなあたらしい発見をつうじて、ぜひエンジョイしてください。

――ありがとうございました。