RENOWN|40周年「ダーバン」の“Made in JAPAN”
FASHION / FEATURES
2015年3月2日

RENOWN|40周年「ダーバン」の“Made in JAPAN”

ポスト東日本大震災の東京MAP - Fashion(2)

ファッションにある、ひとの気持ちを高揚させる力

レナウン「ダーバン」の“Made in JAPAN”

東日本大震災の被災の支援策のひとつとして、日本生産が注目されている。とくにアパレル産業では、長く中国生産が主流となっているが、生産拠点としての日本の実力、とくに東北地方の“モノづくりの力”には、復興もふくめて再びスポットがあたっている。大手アパレルのレナウンは、自社のブランド「ダーバン」で、初の日本人キャラクターを採用し、100パーセント国内自社工場でスーツを生産しているブランドとして「日本を着る」というテーマのもと、さまざまなPRを展開。既製スーツ、パターンオーダースーツともに注文が殺到し、生産現場は活況を呈し現場の士気が大いに高まったという実績をもつ。今回の震災の現状から、この夏のクールビズまで、レナウン 広報部に聞いた。

Text by OPENERS

「ダーバン」ブランド創設40年目に、あらためてMade in JAPANのこだわり

──今回の東日本大震災で被った被害(提携工場や、ショップ、人的被害など)を教えてください。

幸いなことに人的被害はありませんでした。自家工場では、福島にあるレディスの布帛(ふはく)工場は建物、施設に若干の被害がありましたが、4月11日より可能な範囲で操業を再開。また、福島にあるメンズ靴下工場は、水道、ガスが停止し建物に若干の被害がありましたが、3月28日より可能な範囲で操業を再開しています。

ショップでは、当社が売場展開させていただいているお得意先(百貨店やGMSなど)が被災されました。お得意先によってはすでに再開しているところもありますが、今後再開を予定されている得意先もあります。

──上記の被害に対しての対応やサポートは?

自家工場が休業中の生産を、一部ほかの工場に振り替えたということがありましたが、大きな被害ではなく、操業も再開していますので現状はとくにありません。

──「ダーバン」ブランドとしての(スーツ生産など)での今後の国内生産の取り組みに変更はありますか?

ダーバンのスーツは、すべて九州にある当社の自家工場「D'URBAN宮崎ソーイング」で生産しています。2010年秋冬からブランド創設40周年として、“Made in JAPAN”をあらためて打ち出し、素材の国内調達も拡大しています。イメージキャラクターに竹野内 豊氏を起用し、国内素材・国内縫製の日本のファクトリーブランドとして打ち出しています。

“節電ビズ”アイテムとして、鹿の子素材のドレスシャツを新発売

──クールビズなど、夏向け商品の具体的な取り組みなどがあれば教えてください。

ダーバンではもともと盛夏対応のライン「モンスーン」をスーツやジャケットで展開しています。また、ネクタイをしなくてもかっこよく決まるスタイルを提案するライン「アンタイド」を打ち出しています。これらは今夏も引きつづき強化していきます。

今年の新商品として、鹿の子素材のドレスシャツを販売します。汗をかいても肌にはりつかず、不快感を感じにくい商品です。素材もやわらかく、暑い時期でも快適な着心地です。衿はボタンダウンで、ポロシャツのようなカジュアル感はありません。ビジネス用途にも充分お使いいただけると思います。長袖はすでに発売され、半袖は5月末に発売予定です(価格|長袖1万4700円、半袖1万2600円)。ポロシャツは27型を用意し、昨年より生産量も拡大しています。

──では、いまファッションができることとは?

東日本大震災のような大きな災害のさい、とくに直後は、まず着られればいいだけなのかもしれません。しかし、ファッションにはひとの気持ちを高揚させる力があります。被災された方々がファッションを楽しむことができるようになるのは、まだ先のことかもしれません。あるいは、直接被災されていなくても、世の中は自粛モードでどこか暗い影があります。
しかし、自分に似合う一枚のあたらしいシャツやパンツには、そんな暗い気持ちから引き上げてくれるパワーがあります。直接被災されていない方々は、自粛ではなく、ファッションもふくめできることを楽しんでください。そうすることで、日本経済は再び活気を取り戻すと考えます。

──ありがとうございました。

           
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