DESIGNWORKS|バイヤー特集|メンズを知り尽くした男の“ひと目惚れ”アイテム
FASHION / FEATURES
2015年3月17日

DESIGNWORKS|バイヤー特集|メンズを知り尽くした男の“ひと目惚れ”アイテム

DESIGNWORKS|デザインワークス

メンズ事業部 ブランドマネージャー 川城一敏氏

メンズを知り尽くした男の“ひと目惚れ”アイテム

時代やトレンドには関係なく、“男のエレガンス”をつねに追求しているデザインワークス。「毎シーズンのテーマは、スタイリングを重点に考えていて、この2011春夏はビットローファーと、裾幅18センチの細身のテーパードパンツがその核アイテムです」と川城一敏氏。ビットとパンツをスタイリングの中心にして、たとえば「nuur(ヌール)」のミックス糸のローゲージニットを「シャネルのツイードジャケットを着ているかのような感覚でチョイス」するのがあたらしい。

文=OPENERS写真=原恵美子

エレガントなモノを男らしくと考えたときに、黒は欠かせない色

デザインワークスは、1995年にロンドンで誕生。服飾の歴史と伝統のなかで磨かれてきたアイテムに現代的な感性がしなやかに融合し、クラシック&モダンなエレガンスを感じさせるスタイリングを提案している。

今シーズンは色では黒をフィーチャー。川城氏は「黒や白の無彩色は、これまでほかの色を引き立てる役割でしたが、“エレガントなモノを男らしく着る”ことを考えたときには欠かせない色です。これからの季節は、半袖やショーツなど服のボリュームがコンパクトになるので、上下で黒を着てシャープなイメージをつくりだすのが新鮮。オリジナルのシルク100パーセントホールガーメントニットジャケットがその代表ですね」と語る。

Purchase01
「Tricker’s for DESIGNWORKS」外羽根ストレートチップシューズ
靴を知る男にとっての“いい具合のはずしかた”

よく見ていただくと「ん?」と少し不思議に感じるでしょうが、ストレートチップの外羽根のドレスシューズです。
2009年6月のピッティ・ウオモで「トリッカーズ」のブースを訪れて、別注の話をしていたときに、未発表の木型を見せてもらえる機会がありました。これはそのときの木型とはちがいますが、プロトタイプとしては存在しながら量産にかけられることのなかった木型(No.11653)での完全別注モデルです。最初の話から1年半かかってできあがりました。

デザインワークス|2011春夏 04

私も、“一文字の外羽根”はもっていませんが、なんとも木訥とした雰囲気は残しながら、甲を低くすることでスタイリッシュなバランスに仕上げています。また、「ロンドンウェスト」というミッドナイトネイビーに塗られたソールも別注時のリクエストによって実現したもの。
実際に履いてみると、踵(かかと)のホールド感がよくて、足つきがいいのも気に入っています。綿のパンツに、ボタンダウンシャツとニットタイ、ブレザーというごく普通のコーディネイトにこの一文字で“はずし”てみるのも楽しいですね。

Tricker’s for DESIGNWORKS外羽根ストレートチップシューズ5万8800円

Purchase02
「TRUSSARDI 1911」ダブルブレストジャケット
衿の返りの位置が、時代を吸い込んでいるアイテム

「トラサルディ1911」デザイナーのミラン・ヴィクロビッチ氏はいつ会っても男らしく、ブランドのもつシンプルだけどエレガントな雰囲気は彼の着こなしにもつうじます。

デザインワークス|2011春夏 07

今シーズンのコレクションは、自分には素朴でシンプルなコレクションに感じられましたね。この綿のダブルブレストジャケットはカラー展開が多いアイテムですが、ブランドらしさが見える逸品。
綿の洗いのかかったようなジャケットは今シーズン多く見かけますが、このピーコートとダブルブレストジャケットの中間のような“衿の返りの位置”がなんとも絶妙。シンプルだけどものすごく完成しているという彼のスタイルがこんな衿の返りにも表現されているのがすごいです。

TRUSSARDI 1911ダブルブレストジャケット15万2250円

Purchase03
「DESIGNWORKS」ホールガーメントシルクジャケット
1本の糸から190分かけて1着できあがる現代の工芸品

昨秋から、ハイエンドでエッセンシャルな新ライン「Amber Line(アンバーライン)」がスタートしました。「Amber Line」のなかで今シーズンお薦めは、この一着のためにシルクの糸から開発したホールガーメント(Whole Garment)のシルク100パーセントニットジャケットです。

デザインワークス|2011春夏 11

ホールガーメントとは、裁断、縫製の工程がなく、一着まるごと立体的に縫い目のない状態で編んでいくもの。とくにプログラムが大変なんですが、このジャケットはプログラムに4日かかっています。ポケットのフラップ、カフス、ベント、前下がり具合まで、すべて編み機で一体で編まれているので、ぜひよく見てください。
カーディガンのような着心地で、衿がしっかりジャケットの役割を果たすという、ニットとジャケットのいいとこどりが実現したアイテムで、着るほどにからだがなじんでいく感じは手放せなくなるでしょう。工業製品としての職人技、1本の糸からできた工芸品のようなものです。

DESIGNWORKSホールガーメントシルクジャケット9万750円

Purchase04
「DESIGNWORKS」キッドモヘアシングルジャケット
「Amber Line」ならではの大人ジャケット

このジャケットは、キッドモヘアのフィラメントにシルクを巻いている糸を使っています。本来はキッドモヘアもシルクも伸びない素材ですが、それを毛織メーカーと組んで開発。ナチュラルストレッチを実現しました。

デザインワークス|2011春夏 14

「Amber Line」のジャケットは、レギュラーのデザインよりデコラティブなパターンで、肩をしっかりつくり、ウエストを絞ったシルエットのXラインが特徴。ナチュラルストレッチ素材を実現したことで、Xラインをジャストサイズで着てもらえるのが最大のポイントとなっています。また、シャリ感と光沢感のあるキッドモヘアに、さらにシルクの上品な光沢感がくわわった素材感はほかでは味わえないもの。メタルブレザーよりもエレガントに着こなせる白の貝ボタンにも注目してください。
コーディネイトはぜひ上下セットアップで。白のシャツにビットローファーでエレガントに!

DESIGNWORKSキッドモヘアシングルジャケット18万9000円

Purchase05
「Notify×DESIGNWORKS」ジーンズ
きれいめにはけるダメージジーンズ

デザインワークス|2011春夏 18

ジャケットスタイルがコーディネイトの基本のデザインワークスですが、それに適したシルエットのジーンズを……と、ノティファイとのコラボレーションで、別注のダメージジーンズをつくりました。
フランスのプレミアムデニムブランド「Notify(ノティファイ)」は、これまでダメージ加工のジーンズがコレクションになかったのですが、きれいめのスラックスシルエットはキープしつつ、ジャケットに合わせられるダメージ加工をほどこしました。細身のシルエットで、すっきりはきこなせます。

Notify×DESIGNWORKSジーンズ3万3600円

Purchase06
「nuur」ニットカーディガン
“シャネルツイードのジャケット”のような……

デザインワークス|2011春夏 22

「nuur(ヌール)」は、世界中のトップブランドがニットを発注する「ロベルト・コリーナ」とイタリアのセレクトショップとのコラボレーションから誕生したブランド。
アンティークなニットジャケットが得意ですが、このニットカーディガンは今回のコレクションのなかでも光っていたアイテムで、ひと目見たときに“シャネルツイードのジャケット”を連想しました。
ローゲージニットですが、タイトなサイジングで、からだにぴったり着られるのがとても気持ちいいアウターです。

nuurニットカーディガン3万9900円

毎シーズン、ピッティ・ウオモをスタートにして、つぎのシーズンのコーディネイトの方向性を決めることからはじめますが、この春夏はプレッピー的なものがとくに目につきました。大人の自分をノーブルに演出できるアイテムから、エレガントな着こなしをぜひお楽しみください。

デザインワークス|2011春夏 27

川城一敏|KAWASHIRO Kazutoshi
DESIGNWORKS ディレクター
1962年生まれ。大手セレクトショップの黎明期よりキャリアをスタートし、バイヤーをはじめ各セクションの責任者として活躍。その後、海外ブランドのディレクターを経て2007年より現職。
メンズウェアのスペシャリストとしてファッション誌編集者、スタイリストなど業界関係者からの信頼も厚い。

DESIGNWORKS
http://abahouse.co.jp

           
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