特集|達人バイヤーが自腹で買った絶品アイテム - ユナイテッド・アローズ
FASHION / FEATURES
2015年3月6日

特集|達人バイヤーが自腹で買った絶品アイテム - ユナイテッド・アローズ

UNITED ARROWS|ユナイテッドアローズ

ユナイテッドアローズ 鴨志田康人氏

DSブランドのフラッグシップとして生まれかわる「DS 5」

イタリアの革製品に魅せられてユナイテッドアローズの創業時からのメンバーのひとりであり、クリエイティブディレクターとしてバイイングから、他企業とのコラボレーション、プライレートレーベルCamoshita(カモシタ)の設立など、名実ともにユナイテッドアローズを、そして日本を代表する名バイヤーである鴨志田康人氏。そのバイイングの審美眼もさることながら、いつもキレ味鋭いスタイルをみせてくれるファッショニスタである。この春の買い付けで、そんな鴨志田氏の目にとまったのが、革小物たち。さて、達人がご購入したものとは? その理由とは?

Photo JAMANDFIXStyling by Kim-ChangText by HOSOMURA Gotaro

Purchase01
「GERARDO FOSSATI」Cap Toe Shoes
[ジェラルド フォサッティ]のキャップトゥシューズ

イタリア出張のとき、展示会で購入したのが、[ジェラルド フォサッティ]のキャップトゥシューズ。茶のワントーンで、丸いパーフォレーションをほどこしたメダリオンのキャップトゥである。
「僕の場合、仕事のバイイングの基本は自分が欲しいものです。コレクションを見て、衝動バイイング(笑)! とともに自身でも購入。まずは自分で履いてみないことには語れませんからね」。
GERARDO FOSSATI(ジェラルド フォサッティ)

ジェラルド フォサッティ 茶シューズ 16万8000円

鴨志田氏の場合、表の顔とプライベートの顔のモノ選びの差はないようだ。衝動買いながら、それはこれまでの経験や審美眼があってこそ。いいものは鴨志田氏に寄ってくる。
「じつはこのジェラルド フォサッティは、かのシルヴァノ・ランタッツィがGerardo Fossatiというイタリア人男性が所有する靴コレクションにインスパイアされ、その名を冠して立ち上げたブランドです。着こなしは、昔のダンディなおじいちゃんぽいスタイルがいいですね。三つ揃えのスーツとか、もしくはチノパンツにあわせたらクールだと思います! 履き込んでこそ味の出る靴だと思いますよ。丸味のあるフォルムですがエレガントさもあって、オールデンよりひとクセほしい方にお薦めします!」。


Purchase02
「Hidetaka Fukaya」Clutch bag
「ヒデタカ フカヤ」のクラッチバッグ

フィレンツェを拠点に活躍する、イル ミーチョの深谷秀隆氏を訪ねた鴨志田氏。深谷氏といえば、その独特のグラマラスなラストのシューズで有名な靴職人である。そこで鴨志田氏は、深谷氏のバッグにもしびれたという。
「最上級の皮革、美しい色、そしてシンプルなフォルムに魅せられました。それで、つい自分用に頼んでしまいました。クラッチバッグはバイヤーや業界人のあいだで非常に人気です。必要最低限のものだけ持ち歩くのにいい。店舗展開用にバイイングするときに、高いのでどうしようか迷ったのですが、デザイナーの深谷氏のものづくりを語る情熱のトークに負けました(笑)。彼の情熱やものづくりは価格を超えます」

ヒデタカ フカヤ クラッチバック

ヒデタカ フカヤ クラッチバック 9万300円

たしかに“深谷ファン”の顧客は日本に多い。バイヤーの評価もすこぶる高い。
「革ものはクオリティの良いものを選ぶことです。使い込むほどに愛着がわきますよ。その点、ヒデタカ フカヤならいうことナシです。クラッチバック以外にも、欲しくなるバックが目白押しです。深谷氏の職人技と情熱が合わさり、心に響くのです」。


Purchase03
「LONGHI」 Belt
「ロンギ」のベルト

カジュアル化が進むビジネスシーン。スーツはもはやユニフォームではなく、お洒落着となりつつある。といってもジャケット&パンツ、ノータイが多くなったといえ、欧米に比べればまだまだスーツの威光は薄いながらも残っている。イタリア出張のさい、展示会で出会ったのがこのロンギのベルトだそう。
「リラックスしつつ、カジュアルになりすぎないスーツに合わせるベルトって意外に少ないんです。いまの気分はまさにコレ。ちょっとオヤジっぽい雰囲気が最高です!」

ロンギ ベルト

ロンギ ベルト2万3100円

緩急のバランスの良さが、鴨志田氏のお眼鏡にかなったようである。それで自腹でご購入! シボ感のある上質レザーは、縁が丸味を帯びたつくり。ここにはじつは秘密が隠されているのだ。
「裏側を見るとわかりますが、袋縫いの技法を用いてあるんです。イタリアでトゥボラーレと呼ばれるものですが、これはロンギがオリジナルなんです。やはりオリジナルは一度は身につけて、その良さを味わうことをお薦めします」。
控えめな光沢や、細くてシンプルなゴールド色のバックルもシンプルかつモダン。どうやら“オヤジっぽい”雰囲気がキーのようだが、それはメンズの傾向として流れる“ジェントルマン”につながるものだろう。いまどきの力のヌキ加減ながら、男っぽさを感じさせるもの。あくまでも“っぽい”のが重要で、決して“オヤジ”じゃないのをお忘れなく。

ユナイテッドアローズ|鴨志田 康人

鴨志田 康人|KAMOSHITA Yasuto
1957年東京都台東区生まれ。お茶の水美術学院を経て、多摩美術大学立体科卒業。ビームスを経て、1989年ユナイテッドアローズ入社。創業に携わり、メンズクロージングの企画・バイイング、店内意匠等クリエーションのソフトを担う。2004年ユナイテッドアローズ クリエイティヴ・ディレクターに就任。2008年、自身の名を冠したプライべートレーベルCamoshita(カモシタ)をピッティ・イマジネ・ウォモに初出展。現UA本部副本部長 兼 クリエイティブディレクター。

ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館
営業時間|12:00~20:00(平日)、11:00~20:00(土・日・祝日)
東京都渋谷区神宮前3-28-1 B1F-3F
Tel. 03-3479-8180

ザ ソブリンハウス
営業時間|11:00~20:00
東京都東京都千代田区丸の内3-3-1 1F
Tel. 03-6212-2150

           
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