谷中フレンドの輪~谷中芸工展より~(1)
谷中フレンドの輪~谷中芸工展より~(1)
nakamura&いろはに木工所
10月6日から14日まで、地元の谷中界隈で「谷中芸工展(http://www.geikoten.net/)」が開かれました。谷中に越してきてから初めての芸工展で、ちょうど新作コレクションシリーズ「more personal」の取材もあったので、カメラマンの野村クンとぶらりと散歩に出かけました。
text by OPENERSphoto by Jamandfix
谷中フレンドをご紹介します。まずはオーダーメイドの靴屋「nakamura」さん
「Original Shoes and Sandals nakamura」は谷中でも、とくに有名ですね。アポなしでしたが、中村 民さんはいつもの笑顔で撮影に応じてくれました。ありがとうございました。
中村隆司さんと民さんがつくる靴はすべてカスタムメイド。お客さんが気に入ったデザインの見本をためし履きして、つぎに実際に足のサイズを測り、革、カラーを選んで、革の裁断から手で仕上げていきます。トレンドに左右されないつくり手本位の素晴らしいスタイルですね。いつも5ヵ月のウェイティングがあるのにもかかわらず、お客さんはつぎつぎと訪れます。谷中一の売れっコですね。中村さんの靴を見ると、いつもフランスの俳優、ジャック・タチの人気シリーズ映画『ぼくの伯父さん(MON ONCLE)』を思い出してしまいます。懐かしくて、あったかくて、素朴な感じを受けます。
最初に、「谷中あたりに住みたいな」と思って、この周辺をよく散歩していて、まず、ハンドメイドで財布をつくっている「レプロット」の高橋さんと出合いました。高橋さんから「谷中に住みたいなら、あそことあそこを見てくるといいよ」といわれた一軒が「nakamura」さんです。この辺の人はかならず自分が気に入っている、ほかのお店を紹介してくれるんですよ。
それで「nakamura」のアトリエを訪ねて話を聞くと、もとは印刷工場だったスペースを自分たちと知り合いのデザイナーさんで内装に手を入れて店舗にしたそうです。それを聞いて、全部自分たちでやっていることのすごさを感じました。お金をかけたセレクトショップが多い東京の“西側”とはちがうのも“東側”の魅力ですね。
Original Shoes and Sandals nakamura
台東区谷中2-15-13 2階
Tel. 03-3823-1346
「nakamura」さんに来たら、「いろはに木工所」もはずせません
「いろはに木工所」さんは、「nakamura」さんのビルの1階です。今回は残念ながら写真を撮らせてもらえませんでしたが、店内奥にものすごい木工機械がずらっとあるんですよ。オーナーの山下純子さんが全部ひとりでつくっていて、商品はもちろん、店の看板から引き戸まで全部手づくりです。
こういうお店は駆け足で通り過ぎるんじゃなくて、木の素材とか、つくり手の思いとかにゆっくり触れながら大切にしていきたいものです。ちゃぶ台、箱膳、茶箪笥、タオル掛けなど、人が生活に必要とされるものはどんなオーダーにも応えてくれるというのもステキですね。
いろはに木工所
台東区谷中2-15-13
Tel.03-3828-8617
谷中フレンドの輪~谷中芸工展より~(2)
レプロット&SCAI THE BATH HOUSEにつづく