Fashion
2015年5月15日
はじめの1歩 私が思うこと
孔子は「五十にして天命を知る」と言った。
たしかに不惑の季節を過ぎて、自分のやりたいこと、やるべきことは明確になったが、私の毎日は、安定なんて言葉は知らない。
まだまだ着るものにも食べるものにも遊びにも生き方にも大いに迷い、楽しみ、面白がって、なにかを探し、驚き、ときには笑ったり怒ったりしながら、男の人生を嗜(たしな)んでいきたいと思う。
私たちにとって着る服が個性を描くように、もっと自分にカスタマイズした何かをみんな常に求めているように感じる。
自分のためだけのサービス、自分のためだけのオーダーなど、「特別」はやはり格別で、かっこいいし、自分を次のステージに持ち上げてくれたりもする。
服を作っていて思うのは、たとえばスーツのときの香りと、スポーツ・ジャケットのときの香り、あるいはショーツにエスパドーリュのときの香りは違っていていいと思う。
男の香水といえば、動物系や植物系の調香とか、夜の香りなどイメージが優先されがちだが、もっと私たちの気分(装い)にフィットしたものがあっていい。
そういうものを探してみたが、この世の中にどこにもない。
ないのならつくろう。
まったく香りに関して門外漢の私が、さて、どこまでできるのか。
自分自身が楽しんで進んでいきたいと思う。
「もっと深くものごとを知りたいなら、それに見合う対価を支払わなければならない」。最近読んだ小説のフレーズが心に残る。
もう私たちの時代は、そういう価値観に支配されている。
なんでもいいのなら、そこのコンビニに並んでいる。
でもそんな人生は(便利だが)つまらない。
そう思える男たちにぜひ読んでほしい。(談)