MARGARET HOWELL|スタイリスト 壽村太一が語る“ドレスとカジュアルを楽しむ新・鉄則”
MARGARET HOWELL|マーガレット・ハウエル
マーガレット・ハウエル×フォックスブラザーズ “ドレスとカジュアルを楽しむ新・鉄則”
スタイリスト 壽村太一が語るマーガレット・ハウエル
マーガレット・ハウエル×フォックスブラザーズのセットアップの、ジャケットあるいはトラウザーズのどちらかを活かして、“ドレスダウン=カジュアルアップ”したコーディネイトを提案してくれたスタイリストの壽村太一さん。「今秋のセットアップは、ビジネスニーズにもきちんと応えられるし、カジュアルの締めのアイテムにも使えて、ワードローブに備えておくととても重宝すると思います」と語る。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by OHMORI Sunao (TABLEROCK STUDIO)Styling by SUMURA TaichiMODEL by JENS
スーツをカジュアルで遊べるようにするコツは
セットアップをべつべつに使って、カジュアルアイテムと組み合わせて着こなすのは特別難しいことはありません。が、ジャケットのシルエットに対してのボトムスのサイズ感、トラウザーズのシルエットによってトップスのボリュームが変わってくることなどに注意してコーディネイトしてみてください。
ほかには、トータルのバランスはもちろん大事ですが、スーツの素材感と合わせるカジュアルアイテムの素材感や、色のトーンを合わせいくのもポイントです。カジュアルを楽しむなら、今シーズンはとくに、ベストの活用がお薦めですね。
左のカジュアルコーディネイトでは、ベストとシャツとトラウザーズしか合わせていませんが、これにジャケットを羽織ってもらえれば、普段のスーツの着こなしよりグッとくだけた印象もあたえて、ベストがもつ“抜け感”のようなものが自然におしゃれに伝わってきます。今回は4つコーディネイトしましたが、いちばん気に入っているのも、左のルックですね。
ドレスとカジュアルの距離感が近くなっています
クールビズや、この冬のウォームビズなどの影響で、ドレスのカジュアル化は社会的にも認知されて、着こなしのバリエーションも増えていますが、基本となるのはジャケットとトラウザーズです。今シーズンのマーガレット・ハウエルのフォックスブラザーズの生地は、それぞれニュアンスがちがい、フランネルもありますがほどよい厚みで、オンで着てもクラシックに見えすぎず、カジュアルにも使えて活用の幅が広いのが特徴でしょう。適度な質感とブリティッシュなトレンドが上手にバランスをとっています。
ファッション雑誌や広告でのスタイリングも、ドレスとカジュアルの距離感が近くなってきているので、仕事では“ちゃんと着られて、ちゃんと崩せる”ことを意識しています。きちんと着ていないと、きちんと崩しができないんです。
真面目に服作りをしているマーガレット・ハウエル
マーガレット・ハウエルは、ほどよい抜け感があって、紳士服の基本を理解している、意識させてくれるブランドだと思っています。今回撮影して気に入ったのは、右のジョン スメドレーのボーダーニットと、ファインな素材がクリーンな印象をあたえるドレスシャツですね。秋冬は素材感が大きなウエイトを占めるので、セットアップには最適なアイテムだと思います。
マーガレット・ハウエルは、スタイリングでも使いやすくて、僕のなかでは、カッコイイ男の子と、ちょっと抜けている可愛い男の子のイメージがあります。ジャケットの肩が落ちている感じとか、少年っぽくてどこか可愛い。それでいて、英国的なボクシーなジャケットのシルエットや、ベストの襟のつま
り具合など、真面目に服作りをしているなと感じます。
靴下一つでもニュアンスは変わってきます
スタイリングで一番気をつけているのは、僕はサイズ感ですね。あとは色のバランス。役者さんやミュージシャンなどの個性は感覚でとらえていますが、そのひとの魅力が出るように、レイヤードでアクセントをつけたりしています。今回、4つのコーディネイトにはソックスまで揃えていますが、足もとでボーダーソックスなどをちょっと見せるだけでも着こなしの雰囲気やニュアンスは変わってきます。ぜひ秋の着こなしの参考にしてみてください。
壽村太一|SUMURA Taichi
1976年生まれ。大西陽一氏に師事。2005年に独立し、ファッション雑誌や広告でのスタイリングをはじめ、タレントやミュージシャンも多数手がける。
アングローバル
Tel. 03-5467-7874
http://www.margarethowell.jp