MARGARET HOWELL|スタイリスト森岡 弘が語るマーガレット・ハウエル メンズ
Fashion
2015年2月20日

MARGARET HOWELL|スタイリスト森岡 弘が語るマーガレット・ハウエル メンズ

MARGARET HOWELL|マーガレット・ハウエル

英国調のクラシックがトレンドの秋冬に、マーガレット・ハウエルを語る

森岡 弘が語る「ずっと愛せる服とは何か」

「いま、男の服で重要なのは、思想を込めて物作りをしているブランドをどれだけ愛せるかということ。マーガレット・ハウエルはそういう意味でも思想のある服、志のあるブランドといえるでしょう」と語るのは、今年5月に2冊目となる『男の休日 着こなしの方程式』(講談社)を上梓した、ファッションディレクター スタイリストの森岡 弘さん。メンズファッションの現在を、マーガレット・ハウエルの服をとおして語る。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by JAMANDFIX

見方やとらえ方で変わってくるマーガレット・ハウエルの服

ファッションでは変わることの楽しみも重要ですが、いまの時代は、変わることより変わらないことに重きを置いているひとが多いと思います。マーガレット・ハウエルの服は、ぱっと見の印象では劇的に変わってはいませんが、自分をどうプロデュースしていくかとか、自分が地に足がついているかという視点で見ると、マーガレット・ハウエルの服は輝き方がちがってきますね。

大きな変化はないといっても、時代の気分やトレンドの匂いは、ジャケットのボクシーなシルエットや着丈、色の打ち出し、素材感などにしっかり表現されていて、たんにベーシックなだけではない変化が見てとれます。そういうメンズならではのおもしろさは毎シーズン感じます。

一緒にはなりたくないが、まちがえたくない時代に

今度の本『男の休日 着こなしの方程式』を書いたきっかけは、男性はビジネスのときのスーツ、シャツ、ネクタイについては必要性もあり、着ることの意識も高いですが、カジュアルにかんしては「自由だから勉強する必要がない」とおもっているひとが多いという事実です。私もそうおもっていました。

しかし、この夏はスーパークールビズの実施もあり、カジュアルの重要度が増してきています。暮らし方全般にセンスが問われるいま、カジュアルな装いで、そのひとのセンスや立ち位置があらわになってきています。そういう「いま、なにを買って、どう着ればいいのかわからない」というひとに向けて、まさに“イロハのイ”を書いています。

具体的には、「服を買うときにはサイズ感が重要」「全身で色は3色まで、柄は1柄にしましょう」「シルエットを整えましょう」など、いままでなんとなく勘ちがいしていたカジュアルのエントリーの部分を丁寧に解説しています。

“おしゃれになるのではなく、あのひとちょっと良いんじゃない”というさじ加減ですね。いまの時代に求められている、みんなと一緒にはなりたくないが、まちがえたくないというところにフォーカスしています。

ベーシックな服を整えて着るだけでも、男の服は楽しい

そういう意味で、マーガレット・ハウエルの服は、ベーシックをベースに、上手にシーズン性を取り入れていて、何年か前の服を出して合わせてみてもおかしくない、むしろおもしろい化学反応が起こるかもしれない。そんな男の服の必要なものをさまざまな形で散りばめているブランドなのかもしれません。

だから、着込んでいけば気づくことがたくさんあって、服の奥深さを見つけられる。変わらないことが心地良さに変化していくので、深くかかわったほうが楽しめるブランドだと思います。

森岡弘|マーガレット・ハウエル 02

森岡 弘|MORIOKA Hiroshi
株式会社グローブ 代表取締役/ファッションディレクター&スタイリスト
早稲田大学在学中より、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)にて編集業務にかかわり、卒業後、男性ファッション誌『メンズクラブ』編集部にて、ファッションエディターとして配属。退社後、クリエイティブオフィス グローブを設立。俳優や芸能人、アーティスト、文化人などのスタイリングを担当するほか、企業のユニフォームデザインや、アパレルブランドのプロデュース&ディレクション、広告や雑誌のファッョンディレクションやスタイリングも手がける。昨年講談社より出版した『男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない』につづき、今年5月に『男の休日 着こなしの方程式』を上梓。
http://www.hiroshimorioka.jp/

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Tel. 03-5467-7874
http://www.margarethowell.jp

           
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