2015 ミラノサローネ 最新リポート|FLEXFORM
DESIGN / FEATURES
2015年5月13日

2015 ミラノサローネ 最新リポート|FLEXFORM

FLEXFORM|フレックスフォルム

特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2015

“メイド イン イタリー”を貫くアントニオ・チッテリオとの歩み

1970年の創業以来、企画から生産まで徹底した“メイドインイタリー”を貫く「FLEXFORM(フレックスフォルム)」。今年のミラノサローネでは、40年以上開発をともにしてきた、デザイナーのアントニオ・チッテリオ氏による明るい色と光に包まれた“エレガント”スタイルが堪能できた。

Photographs by Daniele DAINELLIText by KATSURA Kumi(TOL STUDIO INC.)

フレックスフォルムに宿る美の連続性

圧倒的な強さをもってマーケットを牽引するイタリアを代表するインテリアブランド、フレックスフォルムにとって、ミラノサローネの会場は「店舗がブランドの価値を感じる真の工場なら、ミラノサローネの会場は、フレックスフォルムの美とスタイルを確認する最高の展示場」だという。

その舞台となった会場は、今年も多くの人であふれていた。「イタリアデザインは、ライフスタイルと技術、そして真の知性によって差別化される。製品の素晴らしさが、製造の品質に結びついているなら、それは、イタリアの競争力が、美にあるということ。そして、美は美を生み、フレックスフォルムのコレクションのように連続していく。美は、時とともに生き、衰えを知らない」。このように定義された美とスタイルに対する概念は、モノの必要性からではなく、純粋なうつくしさを求めるファンから、厚い支持を集めている。

2015年のミラノサローネには、ソファ3点、アームチェア4点ほか、計13の新作が出揃った。ソファは、モジュール式が2点。スライド式のアームチェア「A.B.C.D.(エー ビー シー ディー)」のメカニズムが搭載されたソファ「LARIO(ラリオ)」と、20年前に発表されたソファ「BOB(ボブ)」がリデザインされた新作「BIG BOB(ビッグ ボブ)」。「BIG BOB」には、背面からメカニズムが目に入らないかたちで、スライド機能がスマートに内蔵されている。

Flexform|フレックスフォルム

ソファ「BIG BOB」

Flexform|フレックスフォルム

アームチェア「CRONO」

美しい木目と、やわらかな座面、そして、独自の製法で張られた革紐の背もたれが、美しい陰影を刻むのは、新作アームチェア「CRONO(クロノ)」。各素材の協奏によって生まれるエレガントなもてなしに身を委ねたくなる。おなじ革紐が使われたパフと、ローテーブル「TINDARI(ティンダリ)」も新作としてくわわった。昨年発表されたパーソナルチェア「GUSCIOALTO SOFT(グッショアルト ソフト)」が纏っていたのは、テキスタイルの新素材“カシミア”だ。家具用に特別にフレックスフォルムが開発したこのファブリックは、通常の2倍以上の耐久性をもつという。英国調のヘリンボーン柄があしらわれ、圧倒的な質感で輝きを放っていた。

Flexform|フレックスフォルム

ソファ「GROUNDPIECE」

新製品は、アントニオ・チッテリオとフレックスフォルムのR&D部門で密な打ち合わせを重ね、5年もの歳月をかけてじっくりと開発を進め、機が熟したものを発表していく。2001年に発表された名品「GROUNDPIECE(グランドピース)」は、新作のなかに混じっても衰えを知らない、タイムレスな美を表現していた。美、素材の品質、職人性。これらが、まるで巣に戻るような、本当の意味での安心感をもたらす環境へと近づけてくれる、そんな本物の価値を示していた。

フレックスフォルム東京
東京都港区南青山6-11-1
Tel. 03-6418-5590
営業時間│11:00~19:00
定休日│水曜日
http://flexform.jp/

           
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