MEDICOM TOY PRESENTS『AKASHIC RECORDS 3 ~ from Illuminati ~ 』開催レポート | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY｜メディコム・トイ

メディコム・トイ代表・赤司氏のキュレーションによる不思議世界

2022年10月22日(土)～10月31日(月)、メディコム・トイ代表・赤司竜彦氏自らキュレーションを行い、世界中から厳選したアーティストやブランド、コンテンツの作品を一堂に展示・販売するポップアップイベント『AKASHIC RECORDS 3 ~ from Illuminati ~ 』が表参道ヒルズ本館地下3階「スペースオー」にて開催された。ここでは初参加となったアーティスト作品を中心に会場の模様をお届けしていく。

Text by SHINNO Kunihiko｜Edit by TOMIYAMA Eizaburo

“奇跡と死生観”をテーマに繰り広げる一大ページェント

MEDICOM TOY PRESENTS『AKASHIC RECORDS 3 ~ from Illuminati ~ 』開催レポート | MEDICOM TOY

“奇跡と死生観”をテーマに、過去最大規模で開催された『AKASHIC RECORDS 3 ~ from Illuminati ~ 』。「スペースオー」の広大な空間を使った会場内はまるで美術館であり、ファンタジー作品に登場する市場にも感じられる不思議な世界が繰り広げられていた。

会場には“from Illuminati（フロムイルミナティ）”という謎めいたサブタイトルの文字が。エントランスを抜ける際、右側に並んだ三枚の鏡に映る自分の姿が骸骨に変化！　実はこれは鏡ではなく大型のモニターで、カメラのセンサーが人間の動きに反応して骸骨が投影されるデジタルトリックアート。さらにこの骸骨の心臓部分は数回に一度の割合で青い薔薇が浮かび上がるという遊びごころ溢れるギミックも用意。来場の際、お気づきになられただろうか。

©️ HAKURO
GREMLINS and all related characters and elements ©️ & ™️ Warner Bros.
Entertainment Inc. (s22)
©️ KAORI HINATA
©️ Sekiguchi Co.,Ltd.

HAKURO（日ノ元重工）の新作「ミール」ドール、ひなたかほりの新作「SMAK! GIZMO MORRIS」ドールが参考展示で初お披露目。

開催記念商品は「会場販売商品」「WEB抽選販売商品」「参考展示品」の3種類が用意され、それぞれカラーの異なるタグにて掲示。MAMESは「JAM BUTTON RUINS PLAYGROUND」「LONELY GIRL」のスペシャルカラーのほか、豆木鉢、「BE@RBRICK FLOR@ #2 White 400% / 1000%」を出展。

SHINSUKE IKEUCHI「BE@RBRICK SPIKE 1000％」は鋭利なスパイク部分を再現するために試作用の脚部のパーツも展示。

©️YOIKOOMOCHA

「よいこおもちゃエックスX (置き去りにされたおもちゃ)」は、昭和のおもちゃ詰め合わせを想起させるパッケージングが新鮮さを感じさせるアート作品。「複製画 (EDITION 10/10)」からもアーティストの世界観が垣間見える。

©️ shanicmaiyel

特殊メイク・造形製作にとどまらず、幅広い分野で活躍するAmazing JIROの「バルベンフィリ教授の青い薔薇」。青い薔薇がクリア樹脂に封入され、ベースにアルミの角棒が81本規則的に立ち上がる。

フランスのテキスタイル彫刻家（アン・ヴァレリー・デュポンが手がけたワンオフ・アートピース「Anne Valérie Dupond ONE OF KIND BE@RBRICK 1000％」も古今東西の動物をモチーフに20体登場。

MASAKI NOGUCHI率いるアーティストの衣装企画デザイン会社TARKSによる、青い薔薇をテーマにした「TARKS BLUE ROSE SET UP」。アシンメトリーなジャケット右半身に施された青い薔薇の装飾のボリューム、細やかさ、バランスに目が奪われる。

会場中央にそびえ立つ巨大な半透明のモノリスに、次々と浮かび上がる文字やプロビデンスの目の図版。AKASHIC RECORDS＝元始からのすべての事象、想念、感情が記録されている世界記憶を象徴する存在だ。　

TM & ©️TOHO CO., LTD.

そしてもうひとつ来場者の目を釘付けにしたのがNAGNAGNAGによる「2100mm 木製ゴジラ (2001)」。全高約2100mm、重量約300kgにも及ぶ圧倒的な存在感が会場を支配していた。

NAGNAGNAGの代表作「NAG BALL (EDITION 5/10) 」、熟練の九谷焼作家が総手描きで絵付した「九谷BE@RBRICK NAGNAGNAG×COOP 400% / 1000%」、クリスタルを一粒ずつ手作業でデコレーションした「CRYSTAL DECORATE BE@RBRICK NAGNAGNAG FOUR EYES 400%」が登場。

©️楳図かずお／小学館

NAGNAGNAGによる「漂流教室関谷三輪車」は楳図かずおの名作より関谷久作が三輪車に乗って登場。企画協力／M1号。　

Master Model Painted by NAGNAGNAG
©️楳図かずお／小学館

楳図かずおの名作より「ヤマダ・マサミワークス2 わたしは真悟」。ヤマダ・マサミが原型を手がけ、マスターペイントをNAGNAGNAGが行った全高約280mmの真悟。

現代アーティスト赤塚りえ子が父・赤塚不二夫作品とコラボレーションしたネオン作品をBE@RBRICKに昇華した「BE@RBRICK ニューアカツカバカボンのパパ 400% / 1000%」。

サトシ・ナカモトが発明した暗号資産「ビットコイン」に代表されるブロックチェーンという技術に森羅万象や円相を重ね、「新しくも懐かしい宇宙」を主題にした現代美術サークルEXCALIBURによる「BE@RBRICK EXCALIBUR “SATOSHI” 100% & 400% / 1000%」。

水墨画的なタッチとポップアートを彷彿とさせる色彩で注目を集めるSHUN SUDOの「BE@RBRICK SHUN SUDO 100% & 400% / 1000%」。

造形作家・IKEUCHIによる「BE@RBRICK メメント・モリ 1000%」。内部のメカニズムや手足のメッキ加工が静謐な美を生み出している。

ローレン・サイのBE@RBRICK 2作目となる「BE@RBRICK Lauren Tsai 2nd 100% & 400% / 1000%」はアシンメトリーなデザインが特徴。

©️Aruta Soup

包帯を巻いたウサギをモチーフにしたAruta Soup の「Aruta Soup “ZERO” 3D OBJECT」と「Aruta Soup 「KEEP CALM」。

©️T9G/MUSEUM

全高約600mmに及ぶT9Gの「JAM ランジアス」新色も参考展示で初お披露目となった。

ルーブル美術館正式公認、正規のまがいものとして今春のアートフェアでも話題を集めた3Dのモナリザが「ZEROTARO MONA LISA OVERDRIVE NEXT（EDITION 1）」「ZEROTARO MONA LISA OVERDRIVE NEXT 1/2 (EDITION 10/100) 」として新たに登場。

東京藝術大学大学院工藝科で鍛金専攻修了し、金属を用いた美術造形で知られる恒良英男が青い薔薇をモチーフにしたオブジェ「恒良英男 EL Mirage #1 blue rose」。

ジュエリーブランドIVXLCDM（アイブイエックスエルシーディーエム）の「IVXLCDM BLUE ROSE NECKLACE」「IVXLCDM BE@RBRICK CLACKED NECKLACE SILVER / BLACK」は生産数が限られるため公平を期すべく抽選販売に変更。

©️ STEAM POLKA

スチームパンクとメルヘンを融合させたSTEAM POLKAより「潜水服ハートの女王」が全高約500mmの巨大バージョンで原型展示。

SHELTERBANKが東宝怪獣ヘドラをフェイクファーなどを使って再構築した全高約500mmの「SHELTERBANK ヘドラ完全解剖図解」。

©️円谷プロ

中澤忠幸が製作したぬいぐるみをスキャンし、テクスチャーの風合いまで見事に再現した「CLICK CRACK ガラモン SP」。

©️MILKBOYTOYS

MILKBOYTOYSは全高約430mmに及ぶ新規造型の「MILKBOYTOYS IT BEAR "JUMBO"」で参加。

そして会場奥には、赤司代表が夜な夜な「AKASHIC RECORDS」のプランを練っている書斎をイメージしたエリアも特別展示。。アンティークの家具や木馬、ワードローブに混じって、映画『裸のランチ』に登場するマグワンプやバグライターのプロップも発見（バグライターは2002年にメディコム・トイが「1/1 BUG WRITER（MOVIE PROP TYPE）」として発売したもの）。ここはインターゾーンだったのか！

お気づきになられたかもしれないが、今回の『AKASHIC RECORDS 3 ~ from Illuminati ~ 』で複数のアーティストがモチーフとしていたのが“青い薔薇”。本来自然界には存在しなかったが、約20年前に日本の研究者が中心となってバイオテクノロジーの力で世界初の青い薔薇を誕生させたことはご存知の通り。花言葉も「不可能」から「夢かなう／奇跡」へと変わった。それは不確かな世界を生きる我々にとって、新たな希望を象徴するアイコンなのかもしれない。早くも次回の「AKASHIC RECORDS」開催への期待が高まるばかりだ。