時代は“ウェアラブル”から“イヤラブル”へ。EARINが「M-2」へと進化|EARIN
EARIN|イヤーイン
耳に入れ込む完全ワイヤレス型で
高音質&ノイズリダクション&耳元タッチ操作!
昨年リリースされた完全ワイヤレス型のBluetoothイヤホンのなかでも、ひと際、人気の高かったEARIN。そのEARINが、早くもバージョンアップした最新機種を発表した。しかも搭載するテクノロジーを一新し、既存の「M-1」モデルから機能が段違いに底上げされている。初代モデルの弱点を克服し“イヤラブル”デバイスとして、ブッちぎりの一番手に躍り出たのだ。
Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)
キックスターターで出資を募った北欧のスマートブランド
EARINとは、ガジェット好きなら誰もが知るブランドだ。カタカナ表記は“イヤーイン”だが、海外ではもっぱら“イヤリン”と発音されている。なんか、カワイイ。
「音楽を愛するすべての人々に向け、最高のオーディオ製品の開発を目指すメーカー」として、EARINは2013年にスウェーデンにて創業。キリル・トライコフスキ氏、オレ・リンデン氏、ペア・センストローム氏による3名の創業者は、全員、元SONYエリクソンの音楽好きエンジニアであり、デジタルデバイスの設計、開発、デザインの専門家としてチーム編成したメンバーである。
彼らが妥協なきオーディオデバイスのためクラウドファンディング「Kickstarter」で集めた出資額は、当時の北欧企業としては最大の150万米ドル。
そうしてEARINはAppleが「AirPods」をリリースするおよそ半年前に「M-1」を世に送り出し、売り切れ店が続出。5カ月間のバックオーダー状態が続くほどの人気ぶりを見せたのだ。
その後継種が「M-2」なのだが、この新作は「M-1」に比べて3つの進化ポイントがある。
まずひとつめは、NXP®のMiGLO™テクノロジーを採用した点だ。この技術は補聴器で培われた約10年の実績がある安定した技術であり、音がドロップアウトすることを防ぎ、左右の遅延を改善する。じつのところ「M-1」は音が一瞬聴こえなくなるドロップアウトのトラブルがあったのだ。
次に、ノイズリダクション付きの通話機能が追加された点。「M-2」ユーザーのみならず、通話の相手も音声が聞き取りやすく、混雑したバーや駅のホームなど周囲が騒がしい環境下でも、まるでフェイス・トゥ・フェイスのようにコミュニケーションできる。
そして3つめは、イヤピースにタッチインターフェイスが追加された点。左右どちらにもセンサーを搭載し、着信の応答、音楽のPLAY/PAUSE、Siriなどのデジタルアシスタント機能へアクセスできる。このように複数の機能をジェスチャー違いで操作できる点が、抜きん出たポイントだ。
この3点の変更がもたらすメリットは、以下の通り。
・ドロップアウトの解消(音切れしない)
・左右の遅延がほとんどない
・両耳で通話音声を聞くことができる
イヤピースを詳しく見ていこう。そもそもEARINはカナル型であり、耳栓のように耳穴にぴったりとフィットする。これだけで周囲の雑音は気にならなくなるが、逆に通勤時など周囲の音に気をつけたい場合は、マイクが周囲の音を拾い、耳に届けてくれるのである。そのマイクはひとつのイヤピースに2個搭載。計4個のマイクが周囲とのコミュニケーションを成立させる。そして通話時は、「M-2」ユーザーの声を確実にキャッチ。しかもユーザー周辺のノイズを20dB以上カットして、自分と通話先の相手に届ける。したがって明瞭な会話が実現されるのだ。
音楽を聴いている最中にかかってきた電話も、イヤピースを外すことなく、シームレスに通話できるメリットは非常に大きい。その一連の動作に欠かせないのが、タッチインターフェイスなのだ。ちなみに「M-2」のイヤーピースには、LRの区別がない。装着した際のタッチインターフェイスの向きにより、デバイスが左右を自動認識してくれるのだ。
イヤピースの大きさも既存モデルとほぼ変わらない。
「M-1」 直径14.5mm 長さ20mm 質量3.5g
「M-2」 直径14.5mm 長さ21mm 質量3.6g
機能が大幅に進化しているにもかかわらず、形状が同等に抑えられているところも評価できる。
充電カプセルもデザインを一新。内側については、イヤピースの装着部にマグネットを設けることで、不意にイヤピースを落下させない工夫が施された。
「M-2」イヤピースはフル充電で約3時間再生(「M-1」は約2.5時間再生)。充電カプセルで3回充電できるので、カプセルごとフル充電した場合は、約12時間再生できる。これだけバッテリーが持てば合格だ。
さらにはiOS、Android対応の専用アプリも進化し、ファームウェアアップデートによる将来の機能追加も期待できるようになった。
さて、「M-2」の登場により、またもや独走状態に入ったEARIN。これに対してAppleはもちろん、他のオーディオデバイスメーカーも必ずや追撃してくるはずである。その熱き闘いも楽しみではあるが、私は他の登場を待たずに、このモデルを「ポチッ」とすることに決めている。
製品の機能の高さに惹かれているのはもちろんなのだが、大資本に頼らず、思いを遂げた3人のスマートなマインドを、製品を通じて応援したいという気持ちが強いのだ。
モダニティ
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