エコで薄くて、自由度の高い画期的な有機EL照明
DESIGN / DIGITAL
2015年1月7日

エコで薄くて、自由度の高い画期的な有機EL照明

Lumiotec│ルミオテック建築やインテリアの世界も注目

エコで薄くて、自由度の高い画期的な有機EL照明

福島第一原発の事故以来、大きくなった省エネへのうねり。現在、家庭の電力の約6分の1を占めるという照明も例外ではない。そこで、あらたに脚光を浴びているのが有機EL照明だ。エコ性能だけではなく、さまざまなインテリアにも調和する画期的な有機ELパネルを開発、生産しているのが山形県米沢市に拠点を置くLumiotec(ルミオテック)。世界が熱い視線を送る新世代のエコ照明の姿とは――

Text by YANAKA Tomomi

照明にあたらしいスタイルを

基板上に薄い膜を重ねた構造で、有機物に電圧をかけることで面全体が発光する仕組みの有機ELパネル。ルミオテックでは、約2ミリという薄さの有機ELパネルを2009年から生産している。

Lumiotec│ルミオテック 03

計算上は現在の照明に比べ、同じ光量で消費電力が半分以下になる可能性を持っている。

その薄さ、精密さゆえ高い技術力も必要とされており、日本はそんな有機ELの開発の最先端。なかでも、ルミオテックが拠点を置く山形は2003年から7年間にわたり「有機ELエレクトロニクスバレー構想」が立ち上げられ、米沢市には「有機ELエレクトロニクス研究所」も設立された。震災で深く傷ついた東北が有機ELの一大開発拠点とて、ライティングに大きな変革をもたらそうとしているのだ。

産業面だけではない。薄くて、軽くて、省エネという特性を持つ有機ELパネルは、デザイン性の高い空間設計にも活用できると、建築やインテリア業界も注目。先日おこなわれたミラノサローネでもメディアに大きく取り上げられ、世界的にも次世代のエコ照明として大きく期待されている。

Lumiotec│ルミオテック 13

Lumiotec│ルミオテック 16

これまでコストが高かったり、大掛かりな装置が必要などの理由から実現が難しかった、やわらかい光を側面や床から照らすなどの空間設計を簡単におこなうことができ、環境面でも革新的なスタイルをもたらすであろう有機ELパネル。今後、技術の進歩や材料費の低減、設備の大型化・高速化により単価も下がっていく予定だ。有機ELパネルが私たちの身近なものを照らす日もそう遠くはないだろう。

Lumiotec
Tel. 0238-29-0725(代表)
http://www.lumiotec.com/

           
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