Cassina ixc.|芸術的才能が開花した「シャルロット・ペリアン」新作展示
Design
2015年5月19日

Cassina ixc.|芸術的才能が開花した「シャルロット・ペリアン」新作展示

Cassina ixc.|カッシーナ・イクスシー

伝統とモダンを呼応させ日常生活に落とし込むことで、開花した芸術的才能

「シャルロット・ペリアン」新作展示

カッシーナ・イクスシー青山本店にて、10月28日(金)より「シャルロット・ペリアン」の新作を展示。今回の展示会では、本年4月から9月までパリ市立プティ・パレ美術館にて開催された「シャルロット・ペリアン 写真からデザインへ」展に出品されていたぺリアン自身が撮影した写真も併せて見ることができる。

Text by OPENERSPhoto by Cassina ixc.

日本独自の技術と欧米の用法を統合させた「トウキョウ」シェーズロングに注目

シャルロット・ペリアンは、1929年、サロン・ドートンヌにて、ル・コルビュジエやピエール・ジャンヌレとともに、建築と一体化した内装のあり方を追求し、「住宅のインテリア設備」として名高い一連の家具を発表。カッシーナはこの「LCシリーズ」の復刻にとどまらず、ペリアンが日本の文化にインスピレーションを得て、独自の哲学をもってデザインした作品を、あらたに追加復刻した。

1940年より日本の商工省(現在の経済産業省)の招聘により「輸出工芸指導顧問」として来日したペリアンは、畳など規格化された日本建築や、伝統を重んじつつ自然のなかにモダニズムの可能性を追求する姿勢に感銘を受ける。極東での長い滞在中に、伝統とモダンを呼応させ日常生活に落とし込むことで、彼女の芸術的才能はさらに開花する。代表作の「トウキョウ」シェーズロングは、日本のデザイン界に大きな刺激をあたえ、その発展に大いに貢献した。

花びらという名のついた有機的なデザインのローテーブル
PETALO(ペタロ ローテーブル)

カッシーナ|シャルロット・ペリアン 02

カラーは、レッド、グレー、イエロー、グリーン、ブルー

1951年、パリ近郊の都市アントニーにある大学の共用部用にデザインされたローテーブル。天板は角の丸い三角形の形状で、一筆書きで描かれたように見える金属の脚部構造が有機的なデザインとなっている。
花びらという意味の「ペタロ」は、円の弧に沿って5つのテーブルを花のように展開させることや、さまざまな組み合わせが可能なネストテーブルで、5色のカラータイプとナチュラルまたはブラックの単色タイプを選ぶことができる。

可動式パネルが、日本の襖を連想させる本棚
PLURIMA(プルリマ ブックシェルフ)

カッシーナ|シャルロット・ペリアン 03

1983年にデザインされ、壁置き、あるいは間仕切りとしても利用できるフレキシブルなブックシェルフ。
可動式のアルミニウムのスライドパネルがさまざまな表情をつくり、ボリュームと余白の変化がダイナミックな印象をあたえる。ベースとシェルフ部はオーク材のナチュラル仕上げ、また、縦のパネル部は白と黒の塗装仕上げで、ハイタイプとロータイプのふたつのバージョンから選ぶことができる。

川の流れによって丸みをおびた石から着想を得たローテーブル
ACCORDO(アコルド ローテーブル)

カッシーナ|シャルロット・ペリアン 04

1985年、パリ装飾美術館でおこなわれた、シャルロット・ペリアンの個展のためにデザインされたローテーブル。彫刻のようにダイナミックなフォルムは、川の流れによって丸みをおびた石からインスピレーションを得ている。

日本滞在中の1941年、「選択・伝統・創造展」のために竹を用いてデザインされ、
本年のミラノサローネではじめて商品として発表

TOKYO(トウキョウ シェーズロング)

カッシーナ|シャルロット・ペリアン 05

1940年に一点ものとしてデザインされた竹製の「トウキョウ」シェーズロング。日本に住み、働いていたペリアンは「LC4」シェーズロングの素材を変え、あらたな造形を生み出した。柔軟な竹の加工技術を、その可能性の限界まで推し進めたこのプロジェクトは、人間の体のくつろぎと自然との詩的な融合を実現し、西欧のデザインに日本の要素を見事に取り入れている。美しく波うつフォルムは、カッシーナの見事な木工技術により再現された。復刻にあたりカッシーナは素材の幅を広げ、バンブー、チーク、およびビーチ材の3種類を商品化。セミアウトドアユースとしても使える。

カッシーナ|シャルロット・ペリアン 06

シャルロット・ペリアン|Charlotte Perriand
1903年、パリで生まれたシャルロット・ペリアンは、20世紀初頭から、前衛的なUAM(現代芸術化連盟)などの文化運動をつうじて、日常生活における美的価値観に大きな変化をもたらすとともに、真に現代的な感性を生み出した。彼女のプロとしてのキャリアは、1927年にサロン・ドートンヌに発表した、メッキした銅とアルマイト処理のアルミニウムを用いて設計された「屋根裏のバー」が批評家から絶賛されたところからはじまる。
同年、24歳のペリアンは、パリの35, rue de Sevres にあるアトリエに行き、ル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレとの10年間にわたる協業を開始。アトリエでの彼女の存在感は、彼らと一緒に設計したすべての家具にあらわれており、コルビュジエが考える「モデュロール(黄金比に基づく調和の単位)」に則ったデザインと、ペリアンの新素材を用いる直感的な才能が、20世紀の建築、デザインにおいて重要な影響をおよぼした。

カッシーナ・イクスシー青山本店
港区南青山2-12-14 ユニマット青山ビル1F~3F
Tel. 03-5474-9001
営業時間|11:00~19:30
不定休
www.cassina-ixc.com

           
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