ホンダ、空への夢を実現

4月23日、ホンダの航空機事業子会社であるアメリカのホンダ エアクラフト カンパニーが生産する小型ビジネスジェット機「HondaJet（ホンダジェット）」が、日本の空にはじめてその飛行する姿を披露した。

ホンダ エアクラフト カンパニーが開発する6人乗りの小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」は、主翼の上にエンジンを配置する機体のレイアウトが最大の特徴だ。徹底した機体の空力抵抗の低減と揚力比の実現で、クラス最高の最高速度と低燃費を達成した。エンジンはGE ホンダ エアロ エンジンズ社製の量産型ターボファンエンジン「HF120」を搭載。機体とジェットエンジンの両方を自社で開発していることも航空業界では特筆される。

主翼の上に置かれるターボファンエンジン「HF120」

ホンダ エアクラフト カンパニー社長の藤野道格氏

現在、機体はアメリカの航空当局の認証を受ける最終段階をむかえている。価格は450万ドル（約5億4,000万円）だが、すでに100機を超えるオーダーを受けており、アメリカ、ノースカロライナ州のホンダ エアクラフト カンパニーの工場では、18機の組み立て作業が進んでいる。認証がおりしだい、顧客にデリバリーが開始されるとのことである。

ホンダジェットの開発責任者であり、開発、製造、販売を担当するホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格（ふじのみちまさ）社長は、「ホンダジェットは、これまでホンダがモーターサイクル、クルマで起こしたモビリティの革新を、アビエーションの世界でも実現できると考えている。今回のデモンストレーション飛行によって、ホンダのコーポレートスローガンである「The Power of Dreams」を体現するホンダジェットを、多くの皆様に見ていただきたい」と語った。

今回の日本への初飛行は、ホンダジェットの飛行を披露するワールドツアーの一環としておこなわれた。このツアーでは日本とヨーロッパを中心に13ヵ国以上を訪れる予定となっており、ホンダジェットはスイスのジュネーブで5月19日から21日まで開催される欧州最大のビジネス航空ショーの「ヨーロピアン ビジネス アビエーション コンベンション アンド エキシビション（EBACE2015）」に出展されることになっている。

コクピットは視認性の高い高解像度のディスプレイと、タッチスクリーンをそなえる

エンジンをボディに設置しないことで構造材をなくし、静かで広いキャビンスペースが実現

5月5日まで国内各地でデモ飛行

ホンダジェットは4月25日から5月5日まで日本各地で一般公開をおこなう。期間中、成田国際空港をはじめとする複数の空港でのデモンストレーション飛行や地上展示が予定されている。藤野社長は、「ホンダジェットをデモ飛行や展示で間近で見てもらうことによって、速度や品質の高さを感じていただきたい」と話す。

一般公開の予定空港はつぎのとおり。
4月25日 仙台空港
4月26日 神戸空港
5月2・3日 岡南飛行場（岡山）
5月4・5日 成田国際空港

HondaJetイベント運営事務局
0120-227-032（10：00-17：00）

HondaJet｜ホンダジェット
ボディサイズ｜全長 12.99 × 翼幅 12.12 × 全高 4.54 m
エンジン｜GE Honda 製 HF 120 ターボファン　
推力｜ 9,119 N（2,050 ポンドフォース）× 2
バイパス比｜2.9
最大巡航速度｜真対気速度778 km/h（420ノット）
最大巡航高度｜13,106 m（43,000 フィート）
上昇率｜1,216 m/min（3,990 ft/min）
航続距離｜2,185 km（1,180 ノーティカルマイル）
離陸距離｜1,219 m（4,000 フィート）以下
着陸距離｜914 m（3,000 フィート）以下
定員｜（標準仕様）乗員1名 ＋ 乗客5名 （乗員2名 ＋ 乗客4名）
（最大仕様）乗員1名 ＋ 乗客6名（乗員2名 ＋ 乗客5名）
荷物室｜1.87 m3（66 cu ft）
価格｜450万ドル（約5億4,000万円）