コンパクトSUV「フォルクスワーゲン・ティグアン」上陸
CAR / NEWS
2015年4月23日

コンパクトSUV「フォルクスワーゲン・ティグアン」上陸

ヨーロッパで人気のコンパクトSUV

「フォルクスワーゲン・ティグアン」上陸

フォルクスワーゲン グループ ジャパンは、新しいコンパクトSUV「フォルクスワーゲン・ティグアン」を、2008年9月3日に発表、同月30日に発売する。

ライバル多し、コンパクトSUV

ライバル多し、コンパクトSUV

コンパクトSUVというジャンルは、ことヨーロッパにおいて人気を博しており、「BMW X3」をはじめ、かの地では立派な海外ブランドであるトヨタの「RAV4」、ホンダの「CR-V」、日産の「エクストレイル」らがしのぎを削っている。

今回発売される「Tiguan(ティグアン)」も強豪ひしめくこのセグメントに投入された1台で、フォルクスワーゲンのなかでは、ポルシェと共同開発した「トゥアレグ」の弟分にあたる。

全長4460×全幅1810×全高1690mmというサイズはCR-Vなどと変わらない。エンジンは既にVWではお馴染みの直噴2リッター直4ターボ(170ps、28.6kgm)で、6段オートマチックトランスミッションとの組み合わせ。駆動方式は「4MOTION」と呼ばれる4WDを採用した。

オンロードとラフロードの2タイプがあるが、日本仕様は後者の方のみで、「Track & Field」という名前が与えられる。

フロントバンパー下のアプローチアングルは28度、同じくリアのディパーチャーアングルは25度とし、ラフな道での走破性を向上。加えてブレーキを自動制御して急勾配を一定速度で降りるヒルディセントアシストや、スイッチで特性をオフロードモードに変える仕組みなどを搭載する。

ラゲッジルームは470リッター、リアシートをたためば1510リッターを確保。アクティブなシーンでの使い勝手もよいとされる。

価格は360万円。国産ライバル車よりはやや割高だが、BMW X3の2.5リッターモデルよりは200万円近く安い設定、日本市場でどう受けとめられるのか?

ライバル多し、コンパクトSUV

BRAND HISTORY
フォルクスワーゲンは1936年に設立された自動車メーカー。スポーツカーなど手がけないため、実直なイメージの強いメーカーだが、技術力は高く、世界でもトップクラスの乗用車メーカーの地位を守っている。

フォルクスワーゲンで特徴的なのは、欧州では珍しく戦後本格的にスタートした自動車メーカーであること。そして、創設者といえる技術者、ドクター・フェルディナント・ポルシェの自動車づくりへの情熱を、いまもヘリティッジとして大切にしていると感じさせること。

タイプ1ともよばれる、いわゆるビートルで礎を築いたあと、買収したアウディの技術でより広い市場をカバーする乗用車づくりを手がけるようになった。ブレークスルーは1974年発表のゴルフで、使い勝手のよさと走りという自動車に求められるふたつの機能をみごとに両立させ大ヒットとなった。そのクルマづくりの精神は今も受け継がれており、フォルクスワーゲンのモデルは実直だが、運転する楽しさもきちんと備えている。先代ゴルフではいち早くデュアルクラッチシステムを採用したのも注目点。

フォルクスワーゲンは同時にマーケティングが巧みな会社でもある。ゴルフにGTIを設定してホットハッチ(速いハッチバック車)というジャンルを確立したのは、自動車史に残る偉業ともいえる。ブランドの使い方にも長けている。傘下のアウディには独自の4輪駆動技術であるクワトロを採用して、先進的なイメージでフォルクスワーゲンとは異なる市場の開拓に成功。さらに現在は、ランボルギーニ、ベントレー、そして世界でもっとも高性能かつ高価なスポーツカーともいえるブガッティをもち、ポルシェの筆頭株主でもある。

1990年代の後半には、日本車を凌駕することを目標に、品質の向上に大きく力を入れた。結果、作りのよさでは世界基準となるまでに。さらにこのところ、静粛性向上も著しく、かつての日本車の牙城は大きく脅かされているといえる。

日本におけるラインナップは、コンパクトハッチバックのポロ、ゴルフとステーションワゴン版であるゴルフ・バリアント、マルチパーパス・ミニバンのトゥーラン、ゴルフのセダン版のジェッタ、大ぶりなボディをもつパサート・バリアントが中心。くわえて、2ドアクーペのシロッコと、4ドアだけれどクーペのようなスタイリッシュさが売りもののパサートCC、そしてSUVではティグワンと、大型のトゥアレグが並ぶ。

ゴルフはとくにバリエーションが豊富で、1.2リッターターボエンジン搭載車から、GTIそして、4輪駆動システムに256psのエンジンを組み合わせたゴルフRまで。燃費よく快適なモデルから、走りを楽しむドライバー向けのモデルまで、フォルクスワーゲンの自動車づくりにおける幅と奥行きがここにもよくあらわれている。

           
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