5シーターになり快適さ、利便性が向上

パサート CCは2008年に発表され、同年中に日本国内でも販売が開始された。発売から約2年のあいだで受けた顧客からの声を反映させるため、さらなる安全性、快適さの向上などを目指すべく、今回の一部変更にいたったという。ちなみにエクステリアにおける変更はない。

インテリアでは、以前のモデルでは各座席が完全に独立した4シーターで構成されていたが、後席を3シーターにすることで5シーターになったことが大きな変更点だといえる。この点が顧客からのリクエストとしてもっとも多かったとフォルクスワーゲン側ではしている。そのうえ、後部の中央座席背面を前に倒すことでアームレストとしても使用することができるようになり、利便性の向上にも一役買っている。

グレードのラインナップとしては、従来どおり2.0リッターTSIエンジンを搭載した「パサート CC 2.0TSI」、そしてフォルクスワーゲンおなじみの軽量かつエコなフルタイム4輪駆動システム「4MOTION」を備えた上位グレード「パサート CC V6 4MOTION」のふたつ。この2.0TSIに積まれている2.0リッターTSIエンジンは、手がくわえられたことにより、11psアップの最高出力211psを発生する。いずれのグレードにも新型シャラン／トゥアレグにつづき、エネルギー回生機能が備わった。ちなみに2.0TSIは 10・15モード燃費11.8km/ℓを記録。優れた低燃費と力強い走りを両立させた。

V6 4MOTION

安全面を強化する新機能「シティエマージェンシーブレーキ」

安全面にかんしては、V6 4MOTIONに標準装備されているフロントモニタリングシステム「Front Assist」に「シティエマージェンシーブレーキ機能」を追加。このFront Assistとは、ヘッドライトに内蔵されたレーダーで前方車両や障害物を検知し、警告を発することで万一の事態を防ぐプリクラッシュシステムである。そして今回あらたに設定されたシティエマージェンシーブレーキ機能は、時速30km未満での走行時に機能し、車両などの前方障害物への衝突の可能性がある場合、自動的にブレーキを作動させ、衝突を回避、もしくは衝突したときのダメージを最小限に抑えるというシステムである。またこのFront Assistは、マルチファンクションインジケーターのフルカラー化で、より視認性を高めているという。

一方の2.0TSIにも今回の一部変更によって、これまでV6 4MOTIONにしか搭載されていなかったさまざまなドライバー支援システムを「テクノロジーパッケージ」として受注生産オプションに設定している点も特筆すべきだ。その内容には、前述のFront Assistをはじめ、アダプティブクルーズコントロール「ACC」、レーンキープアシスト「Lane Assist」、パークディスタンスコントロール、フルカラーマルチファンクションインジケーターなどがふくまれる。

今回の変更によって、さらに快適かつ安全なドライブを楽しむことできるようになったパサート CCは、2.0TSIを従来よりも11万円下げた495万円（テクノロジーパッケージを30万4,500円で設定）、V6 4MOTIONを5万円アップで抑えた625万円で販売される。

Volkswagen Passat CC 2.0TSI｜フォルクスワーゲン パサート CC 2.0TSI
ボディ｜全長4,815×全幅1,855×全高1,420mm
エンジン｜2.0リッター直列4気筒DOHC（4バルブ）＋インタークーラーつきターボチャージャー
最高出力｜155kW（211ps）/5,300-6,200rpm
最大トルク｜280Nm（28.6kgm）/1,700-5,200rpm
駆動方式｜FWD
10.15 モード燃費｜11.8km/ℓ
CO2排出量｜182g/km
価格｜495万円

Volkswagen Passat CC V6 4MOTION｜フォルクスワーゲン パサート CC V6 4MOTION
ボディ｜全長4,815×全幅1,855×全高1,425mm
エンジン｜3.6リッターV型6気筒DOHC（4バルブ）
最高出力｜220kW（299ps）/6,600rpm
最大トルク｜350Nm（35.7kgm）/2,400-5,300rpm
駆動方式｜フルタイム4WD
10.15 モード燃費｜10.2km/ℓ
CO2排出量｜219g/km
価格｜625万円
※両グレードともにCO2排出量は、欧州データに基づく。