BMW Active Hybrid 5|BMW アクティブ ハイブリッド5
BMW Active Hybrid 5|BMW アクティブ ハイブリッド5
BMW、5シリーズにハイブリッド車を追加
BMWは同社のミドルクラス、5シリーズにあらたにハイブリッドモデルを追加すると発表した。
文=松尾 大
走りを重視したハイブリット
ハイブリッド車は基本的に環境性能を意識し、生産されるが、「駆け抜ける喜び」を標榜するBMWは、以前からハイブリッドモデルには「アクティブ ハイブリッド」なる名称をもちい、環境だけでなく走りも追求したモデルであると謳ってきた。
今回発表された、5シリーズのハイブリッドである、アクティブ ハイブリッド5もその例に漏れず、走りの性能を意識したものとなっている。
搭載されるエンジンは、すでに二度のエンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞している直列6気筒ユニット。ツイン・スクロール・ターボ、ダイレクトインジェクション、バルブトロニックを採用し、2006年に登場した335i以降、多くのBMW車に搭載され、高い評価を得てきた3リッターガソリンエンジンとおなじものと見ていいだろう。最高出力225kW(306PS)、最大トルク400Nmと従来モデルからスペック上の変更はない。これに、定格出力40kW(55PS)、トルク210Nmの電気モーターを組み合わせ、システム出力は250kW(340PS)、最大トルクは450Nmを発揮する。
7段から上がオーバードライブとなる8段オートマチックトランスミッションと組み合わせた結果、0-100km/h加速は5.9秒という、このセグメントのセダンとしては最速レベルにある。それと同時に、環境性能も大幅に向上し、平均燃費は14.3~15.6km/ℓ、CO2排出量は149~163g/kmとなった。
電気モーターだけで約4kmの走行が可能
このアクティブ ハイブリッド5の注目ポイントである電気モーターは非常にコンパクトなもので、トランスミッションのケース内に搭載されるが、バッテリーはかなりの大容量であるため、ラゲッジルームを侵食。既存の5シリーズセダンにくらべ、145リッター少ない375リッターのトランク容量となった。
96個のバッテリーセルで構成された高電圧バッテリーは使用可能な電力容量が675Whとなっている。この力強いバッテリーにより、電力のみで走行可能な距離は4km、最高速度は60km/hと発表されている。また、ポルシェ・パナメーラやカイエンにも採用された、セーリングモードも設定。これは、160km/hまでのエンジンブレーキ制動中に燃焼エンジンを停止し、ドライブシャフトから完全に分離するというものだ。
インテリアについては基本的に5シリーズと共通。ドライブコンポーネントの作動状態については、メーターパネルのモデル専用ディスプレイとBMWアクティブハイブリッド5のコントロールディスプレイに表示。エネルギーフローとエネルギー回生ディスプレイにくわえ、タコメーター領域にあるグラフィックで 加速のさいに電気モーターのブースト機能が表示される。また、iDriveのメニューで、バッテリーのチャージ状態のほか、走行中のエンジンと電気モーターの作動推移に関する情報を入手することができるという。
シャシーは、フロントアクスル・ダブルコントロール・アーム、 インテグラル・リアアクスル、電気機械式サーボステアリング、速度対応したステアリング・サポートをおこなうサーボトロニックからなり、オプションとして、電気制御ダンパーをふくむダイナミック・ダンパー・コントロールを装備することが可能だ。
価格その他の詳細はまだ発表されていないが、BMWらしい「駆け抜ける喜び」をもつハイブリッドであることはまちがいないだろう。
BMW Active Hybrid 5|BMW アクティブ ハイブリッド5
ボディサイズ|全長4,899×全幅1,860×全高1,464mm
ホイールベース|2,968mm
エンジン|3.0リッター直列6気筒ターボチャージャーつき
最高出力(エンジン)|225kW (306ps)/5,800rpm
最高出力(モーター)|40kW (55ps)
最大トルク(エンジン)|400Nm/1,200–5,000rpm
最大トルク(モーター)|210Nm
システム最高出力|250kW (340ps)
システム最大トルク|450Nm
トランスミッション|8段オートマチック
燃費|14.3~15.6km/lℓ
CO2排出量|149~163g/km
※燃費、CO2排出量は本国のデータに基づく。