BMW|ビー・エム・ダブリュー BMW プジョー・シトロエン・エレクトリフィケーション社設立へ
BMW|ビー・エム・ダブリュー
PSA・プジョーシトロエンとの合併会社設立へ
BMWグループとPSAプジョー・シトロエンは、ハイブリッド技術関連の合弁会社「BMW プジョー・シトロエン・エレクトリフィケーション社」を設立すると発表した。
文=松尾 大
ハイブリッド技術の覇権を握る
BMWグループとPSAプジョー・シトロエンはこれまでほぼ10年にわたり、提携を継続してきた。2002年に4気筒エンジンの共同設計および生産に合意したのち、2006年から2010年にかけて、MINI、プジョー、シトロエン向けに180万台以上のエンジンを生産。また、2010年2月には、EU 6 排出ガス基準に適合する次世代の共同設計4気筒ガソリンエンジンの開発にも合意しているという関係だ。
そんななか発表されたのが、ハイブリッド技術開発をおこなう合弁会社「BMW プジョー・シトロエン・エレクトリフィケーション社」の設立である。合弁会社の設立目的は、両社自動車ラインアップへの電気駆動システム導入促進に必要な標準ハイブリッド部品の開発・生産だ。新会社は、バッテリーパック、電気モーター、ジェネレーター、パワー・エレクトロニクス、充電器などの部品やハイブリッド・システムのソフトウェアを手がけることに特化。親会社2社が各種技術のためのオープン・プラットフォームを構築するのを可能にしている。つまり、欧州におけるハイブリッド技術の覇権をにぎるための新会社というわけだ。事実、開発案件のアウトソーシングによりサプライヤーの統合を図るほか、親会社以外へのハイブリッド部品販売も計画していると発表されている。
フィリップ・ヴァラン PSA プジョー・シトロエン会長は「PSA は責任ある自動車メーカーとして、ハイブリッド技術にかんする欧州版オープン・プラットフォームを構築し、同技術の欧州基準を確立したいと考えています。また、BMW プジョー・シトロエン・エレクトリフィケーション設立により、欧州域内で電気駆動システムの高度な技術生産ノウハウを開発し、価値創造のあらゆる可能性を確保することが可能になります」としている。
また、BMW AGのノルベルト・ライトホーファー 取締役会会長は「BMWグループとPSA は、今後ハイブリッド化が重要になるという認識で一致しています。共通のアプローチにそった、より戦略的な対応が可能となり、この提携関係からBMWは大きなスケール・メリットをえるほか、開発コストの分担、標準化された部品の採用、開発プロセスの短縮化なども実現します」と述べている。
新会社はドイツ・ミュンヘンとフランス・ミュルーズ(フランス)の2カ所を拠点としている。それぞれ、研究開発機能はすべてミュンヘン周辺、生産についてはミュルーズでおこなうというもので、操業開始は、公正取引委員会の承認を経て、今年第2四半期を予定している。そして、あらたなハイブリッドパーツがBMW、PSA プジョー・シトロエンの車両に搭載されるのは2014 年以降となる予定だ。