フォルクスワーゲン、プラグインハイブリッドSUVのプロトタイプ「クロスクーペGTE」を公開|Volkswagen
Volkswagen Cross Coupe GTE concept car
フォルクスワーゲン クロスクーペ GTE コンセプトカー
デトロイトモーターショー 2015
VW、PHEVのSUVプロトタイプ「クロスクーペGTE」を公開
開催中のデトロイトショーで、フォルクスワーゲンはプラグインハイブリッドSUV、クロスクーペ GTE コンセプトカーを発表した。5人乗りのミドルサイズに3.6リッターV6ガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせ、強力なモーターでの加速力と環境性能の両立をアピールした。
Text by OGAWA Fumio
V6+モーターのプラグインハイブリッド
フォルクスワーゲン「クロスクーペGTE」は、ハイブリッドSUVのプロトタイプとして、デトロイトショーでお披露目された。トラックとスポーツカーで湧くデトロイトショーにあって、次世代に向けて環境適合車を開発するという自社の路線を大事にする姿勢が印象的である。
「GTE」とはこれまでゴルフやパサートでプラグインハイブリッドモデルに用いられてきたサブネームである。22インチの大径ホイールが目立つ5人乗り4ドアの大柄な車体が目を惹くクロスクーペGTEも同様。3.6リッターV6ガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせたパワートレインを搭載したプラグインハイブリッドだ。
「2015年初頭は(モータートレンド誌による米国の)カーオブザイヤーをゴルフとゴルフGTEとで取得できたことがとても嬉しい」。フォルクスワーゲングループのドクター・マルティン・ウィンターコルン取締役は、会場に集まったプレスの前でそう語った。同社のブースに並べられたゴルフのボンネットには受賞記念のステッカーが誇らしげに張られていた。
「しかも2014年に1000万台を超える生産台数を達成することが出来た。歴史的な出来事だ。本来は18年の目標だったのだから。これからもさらなる販売増を目指していく」。日本でもすでに報道されたのでご存知の読者もいるだろうけれど、トヨタ自動車との販売世界ナンバーワンを競う同グループだけに、マルティン・ウィンターコルンVW会長は、好調な成績について大きな喜びを表現する。
Volkswagen Cross Coupe GTE concept car
フォルクスワーゲン クロスクーペ GTE コンセプトカー
デトロイトモーターショー 2015
VW、PHEVのSUVプロトタイプ「クロスクーペGTE」を公開 (2)
米国でのポテンシャル
そこにあって、フォルクスワーゲンの成功は、燃費がよくCO2排出量も少ない環境適合性の高いクルマの開発を続けてきたゆえ、と考えているのだろうか。グランドパシフィックグレイシアという淡いブルー系の塗色をほどこされた車体を持つクロスクーペGTEでは、32kmは電気モーターのみで走行できることが謳われた。
いっぽう、パワーとしては206kW(280ps)と、350NmのV6に、電気モーターを組み合わせ、265kW(360ps)のトータル出力を得ることも同時に強調された。大トルクを持つ電気モーターを活用することで、大きな車体にもかかわらず静止から100km/hまでを6秒で加速するという。
「ミドルサイズのSUVは、米国での生産を目指して開発を進めていく」とフォスクスワーゲンではしている。テクノロジーとイノベーションは常にフォルクスワーゲンのベンチマーク。これからも「eゴルフ」、アウディ「e-tron」、さらにポルシェのプラグインハイブリッドモデルなど、VWグループの新しい動きが2015年の販売に大きないきおいを与えてくれるはず」
ウィンターコルン会長は自信たっぷりにそう語った。2014年のデトロイトショーで公開されたコンセプトモデル「クロスブルー」は、その後開発が進められており、16年には米国工場で生産がはじまることが目指されている。クロスクーペGTEにしても、シンプルだが力強いボディラインを持ち、空間的余裕もあり室内の居心地もよさそうで、米国でのポテンシャルは高そうだ。