進化するフォード エクスプローラー 2016年モデル|Ford
CAR / MOTOR SHOW
2015年1月30日

進化するフォード エクスプローラー 2016年モデル|Ford

Ford Explorer|フォード エクスプローラー

ベストセラーSUVがビッグマイナーチェンジ

進化するフォード エクスプローラー 2016年モデル

先頃終了したLAモーターショーで発表された期待のニューモデルが、フォードのベストセラーSUV、「エクスプローラー」のビッグマイナーチェンジモデルだ。登場から四半世紀。SUVの形を作ったパイオニアはどんな進化を遂げたのか。

Text by SAKURAI Kenichi

高級感あるスタイリングを採用

LAショー2014で初公開されたエクスプローラーの2016年モデルは、デビューから約4年たった現行モデル初の大幅改良版になる。グリルやヘッドライト、バンパーなどフロントセクションを中心にデザインを大幅に見直し、スポーティだが高級感ある装いにあらため、一見するとフルモデルチェンジといってもいいほど、その表情は変化した。

これまでの丸みを帯びたある種未来的な装いも感じ取れたフロントフェイスから一新、メリハリと押し出し感のある横基調のフェイスを採用。エッジの効いたスポーティなデザインにあらためられた。左右のLED式ヘッドライトをつなぐフロントグリルには、最上級モデル「プラチナム」でメッシュ状のデザインを、ほかのモデルでは3本のバーのあいだに立体的なブロックをもつ新デザインを採用。ヘッドライトには印象的なコの字型のデイタイムランニングライトも組み込まれている。

Ford Explorer|フォード エクスプローラー

Ford Explorer|フォード エクスプローラー

バンパーやボディ下部を一周するプロテクター部分もタフなSUVの存在感を固める力強いデザインに変更され、フェンダーアーチもそのプロテクター類と同様の材質を使用。従来のブラックから、どちらかといえばグレー寄りのカラーリングにあらためられている。

インテリアは、基本的な骨格はこれまでのモデルと変わらないが、使用素材を変更しよりクオリティを高めるとともに細かなデザインを見直し、落ち着いたイメージを演出した。最上級グレードとしてあらたに用意された「プラチナム」では、ラグジュアリーイメージをもつキルトステッチをあしらった本革シートを採用し、ウッドやつや消しのアルミを組み込んだダッシュボードとともに、上質で高級感溢れるキャビンを構築した。この「プラチナム」では、トリムやダッシュボードの素材にリアルウッドやアルミニウム使用したほか、ステアリング上のフォードのオーバルエンブレムも、はじめてアルミ製に変更されている。


Ford Explorer|フォード エクスプローラー

ベストセラーSUVがビッグマイナーチェンジ

進化するフォード エクスプローラー 2016年モデル (2)

エコブーストエンジンを採用

こうした内外装のブラッシュアップ以上に注目すべきは、2.3リッターおよび3.5リッターのエコブースト エンジンの新搭載だろう。エコブーストは、現在でも2リッターの直列4気筒直噴エンジンとして日本仕様にもラインナップしているが、あらたに搭載されるのは最高出力201kW(273ps)、最大トルク407Nm(41.5kgm)の2.3リッター直列4気筒直噴ターボユニットと、最高出力272kW(370ps)、最大トルク475Nm(48.4kgm)の3.5リッターのV6ツインターボの2タイプとなる。

トランスミッションは、ともにセレクトシフト付き6段ATが組み合わせられるが、これまでのシフトノブに装着されていたマニュアル走行が可能なサムスイッチは、一般的なステアリング上のパドルスイッチに変更された。よりスポーティな走りも手軽に楽しめるようになったといえるだろう。

Ford Explorer|フォード エクスプローラー

Ford Explorer|フォード エクスプローラー

伝統的なV8エンジン以外は、すべて新世代のエコブーストが搭載され、駆動方式とのコンビネーションは現在未発表だが、北米モデルとして人気を呼んでいるリンカーン「MKC」にラインナップする直列4気筒エンジンと4WDの、エクスプローラー初となる組み合わせも期待できる。現行モデルでは、2リッター直列4気筒のエコブーストはFFのみの展開。4WDのニーズも少なくないので、あらたなラインナップの登場はファンにとっては注目だろう。

いっぽう、SUVを名乗る上で欠かせないタフなオフロード性能をもたらすインテリジェント4WDシステムも、従来比約20倍の処理速度をもつ新ユニットに進化。シャシーはサブフレームやタワーブレース、スタビライザー径を拡大するなどして剛性をアップ。走行性能をふくめ、大きくグレードアップを図った。


Ford Explorer|フォード エクスプローラー

ベストセラーSUVがビッグマイナーチェンジ

進化するフォード エクスプローラー 2016年モデル (3)

高級志向のモデルも登場

また、いかにもSUVを永年つくりつづけてきたフォードらしい装備といえるのが、フロントおよびリアビューカメラのウォッシャー。泥濘路や砂地、雪道などのオフロード走行時であっても、簡単に汚れが落とせ、つねにクリアな視界が確保できるのは嬉しい。

こうしたユーザーサイドに立った実用的な装備の採用は、SUVを実際に道具として使いこなすユーザーを知り尽くしたメーカーならではの配慮といえそうだ。

欧州ブランドをはじめ、高級志向がつづく大型SUVへの市場ニーズに応えるべく追加されたグレードの「プラチナム」は、半自動化されたパークアシストやデュアルパネル ムーンルーフ、光沢仕上げされた20インチホイール、そのホイールとコーディネートされたプラチナムシルバーのフロント&リヤのキックプレートなどモダンな装備も採用し、主戦場たる北米市場で欧州ラグジュアリーブランドのSUVを迎え撃つことになる。

Ford Explorer|フォード エクスプローラー

現状では、変更されたデザインやエンジン ラインナップの一部が公開されたに過ぎない2016年モデルのエクスプローラー。発売が見込まれる1年後の2015年末までには、エンジンのパワーアップをふくめ、まだまだ進化を遂げる可能性もある。今回発表されたエンジンスペックには「最高出力は最低でも201kW(273ps)以上」との但し書きがあったからだ。日本にも北米の販売から遅れることなく、ほぼおなじタイミングでの発売が期待されている。

           
Photo Gallery