次期MINIが垣間見えるMINI Vision発表|MINI
MINI Vision|ミニ ビジョン
将来のMINIが垣間見える「MINI Vision」発表
ミニは、デザインイベント“MINI Design@Home”において、将来のミニにむけたアイディアを盛り込んだデザインコンセプト「MINI Vision」を公開した。
Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)
MINIの歴史を受け継ぎながら未来へ
MINI Visionは、プレミアムコンパクトカーのレベルを引き上げるべく発案された、クリエイティビティを詰め込んだ、ショーケース的な存在とされる、ミニのコンセプトモデルだ。そのデザインは、ミニのヘリテージの継承と、将来にむけた美的、技術的な先進性の両方を盛り込んだものとされ、次期ミニを予告するとみられる。
エクステリアは、従来のミニのイメージを色濃く受け継いでいる。ミニの外見的特徴のひとつである、丸みをおびた形、円や楕円のモチーフはMINI Visionでも随所に見受けられ、たとえばヘッドライトは、形状自体はキープコンセプト。いっぽう、外周はデイタイムランニングライトになっている。
六角形のラジエーターグリルの造形は、クラシック ミニのそれを発想の原点としたものだ。
ルーフ、ガラスエリア、ボディと三層に分かれる全体のデザインも、ミニならではのものとして引き継がれている。しかし、ボディ下部をふちどる帯状のフレームは、その帯が、Aピラーへとむかって伸びあがり、ボディを包み込むような処理がなされているほか、屋根にはクロームの装飾がはいるという、試みがなされている。
こういったMINI Visionのデザインは、たんに、ミニのデザインのリフレッシュを目的としたものではなく、エアロダイナミクスを追求するという目的もあるという。
たとえば、フロントホイールの前から空気を入れ、それをホイールハウス後端、ボディとの段差のあいだに設けられたスリットから逃がすという設計は、最近のBMWでも取り入れられているものだ。そのほか、ミラー、ホイールリムの形状、ルーフスポイラーもエアロダイナミクスを考慮したもの。
インテリアは、最大の快適性を最小の空間で、というミニのフィロソフィーを継承しつつデザインされた。居住空間を広くとるため、運転席と助手席のあいだには、フローティングセンターコンソールと呼ばれる、省スペースなものが採用され、ドアの内側には、布製のストラップを、ミニの故郷である英国のユニオンジャックを連想させるような形で、配置した。後者はデザイン性はもとより、雑誌や携帯電話などの小物を入れるポケットとして、高い機能性を有しているという。
このほかにも、センターメーターが旧来のアナログメーターか、3Dルックとよばれるスタイルかを選択可能なディスプレイになっていたり、フロアやトリムの見た目を変更できるなど、コンセプトカーらしい、遊び心がみられる、このMINI Vision。しかし、このMIIN Visionの提案のいくつかは、間もなく登場すると噂される、次期MINIに、実際に取り込まれるだろう。