いま乗ってみたい、BMWのクラシックス10選|BMW
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2020年5月28日

いま乗ってみたい、BMWのクラシックス10選|BMW

BMW|ビー・エム・ダブリュー

いま乗ってみたい、BMWのクラシックス10選

BMW(Bayerische Motoren Werke=バイエルンのエンジン製造会社)という社名が意味するように、BMW車の魅力は、何といってもエンジンにあるといえるだろう。絹のようになめらかと形容されたストレート6のみならず、直列4気筒でもV8でも、BMWの手掛けたパワーユニットは他にはない魅力をもっている。ここでは、BMWのエンジンの魅力は特に旧いモデルに感じられるというモータージャーナリストの小川フミオ氏が、いま乗ってみたいと思うBMWのクラシックスベスト10台を紹介する。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by BMW AG

BMWのよさはエンジンにある

BMWのよさはどこにあるか。もちろん、いっぱいあるのだけれど、やっぱり最大のものはエンジンでしょう。と、思うのだ。
もちろん、ハンドリングとか素晴らしくて、最新の2シリーズグランクーペなんて、昔3シリーズに感じた感動を今また味わわせてくれるほど、素晴らしいバランスのよさである。
BMW Z1
エンジンがすごいって思うのは、特に昔のモデルに乗ったときに感じる。私は近年、なつかしの「Z1」(1989年)をポルトガルで運転する機会があった。そのとき、2.5リッター6気筒エンジンを久しぶりに体験して、こんなによかったんだ! と感激してしまった。
まず、よく回る。軽くアクセルペダルを踏んだだけで、シュンッとレッドゾーン近くまで吹け上がる。いっぽう、低回転域からトルクがたっぷりあって、マニュアル変速機だろうとオートマチックだろうと、誰でも操縦しやすい。
BMW 3.0CSL
6気筒「3.0CSL」(71年)でもV8の「840Ci」でも同じように、エンジンに感激するだろう。ブレーキがいまの水準からすると弱いと感じたり、操舵力が重い! とびっくりすることはあるけれど、エンジンは素晴らしい。それに恐らく車体が軽いのもいい。
というわけで、昔のBMWモデルのなかに気に入ったものがあれば、いま買っても、恐らくかなり幸福になれると思う。BMWはモデルバリエーションが多いので、好みは人それぞれなのを承知で、あえて、自分なりのベスト10を選ばせていただいた。
10位「BMW3.0CSi」(1972年)
優雅でぜいたく、そしてスポーティというBMWの持ち味を象徴するモデル。3003cc直列6気筒エンジンは気持よい。軽量ボディでよりパワフルな「3.0CSL」はスポーティな分、ものすごく操舵力を必要とする。
9位「BMW2002シリーズ」(1968年)
オジサン、いやオジイサン世代にとってBMWといえばコレ。4気筒モデルだろうと、充分トルクがあって、いまでも乗りやすいし、バランスは最高。なかに3シリーズが入っているという感じだ。スタイリングも魅力的だ。
8位「BMW  Z3シリーズ」(1996年)
ここで取り上げるBMWのなかではもっとも直近のモデル。理由はBMWの素晴らしいエンジンと、軽快なハンドリングと、フルオープンの気持よさを、こなれた中古車価格で楽しめるため。当初は4気筒で、のちに直列6気筒モデルも導入された。個人的には4気筒で充分だと思う。
7位「BMW8シリーズ」(1989年)
         
初代8シリーズは、BMWがシンボルのキドニーグリルのかわりにシルエットなど本来のスタイリングで勝負しようと考えていた時期のクーペ。12気筒は見事な出来。8気筒でも充分しびれる。6気筒だけがBMWではない。
6位「BMW Z8」(1999年)
米国カリフォリニアのデザインワークスとともに仕上げたちょっと懐古的なスタイリングは、今も古びていない。トルクのかたまりの4941ccV8エンジンはシャープさに欠けるかもしれないけれど、これに乗っていたらカッコいい。
5位「BMW5シリーズ」(1972年)
3シリーズより3年前に発表された初代5シリーズは洗練の極み。操縦性にも優れているし、スタイリングもバランスがいいし、内装もそれなりにぜいたく。初代は全長4.6メートル、全幅1.7メートルで、日本の市街地で扱いやすいサイズ。探せば程度のいい個体があるのもうれしい。
4位「BMW Z1」(1986年)
BMWの面白さは、時としてこのような実験的なスポーツモデルを作るところ。FRPの外皮をもった全長3.9メートルのコンパクトな2シーターで、ソフトトップを下ろし、上下スライド式のドアを開けたまま走るとものすごい開放感。2494cc直6エンジンのフィールもよく、今でも推したい1台。
3位「BMW M3」(1986年)
モータースポーツを視野に入れ、3シリーズのポテンシャルをぎりぎりまで引き出そうというコンセプトにシビれる。このあとモデルチェンジを重ね、現行車はセダンのかたちをしたレースカーのよう。あえて2302cc4気筒の初代の軽快さをいま体験してみるのもよさそう。ただ状態のいい個体を探すのは難儀しそうだ。
2位「BMW3シリーズ」(1975年)
クオリティの高さと、フロントマスクを中心としたスタイリングのよさと、軽快な走りで、唯一無二の個性を持っていた。いまでも街で見かけると(時々走っている)全長4.3メートルのコンパクトな車体といい、理想的なスポーティセダンだなあと思う。6気筒を搭載したモデル(323i)があれば、それが”買い”。
1位「BMW6シリーズ」(1976年)
初代が出たときは新鮮な驚きだった。いま乗っても、こんなにいいクルマなのかとしみじみする。「635CSi」の3430cc直6エンジンのスムーズさは素晴らしい。スポーツレーシングカー「M1」と同じ3453cc6気筒(パワーは277psを286psにアップ)搭載の「M635CSi」は憧れの1台。
                      
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