フェラーリの聖地、マラネッロを行く Vol.4|Ferrari
CAR / FEATURES
2015年3月27日

フェラーリの聖地、マラネッロを行く Vol.4|Ferrari

Ferrari|フェラーリ

フェラーリの聖地、マラネッロを行く Vol.4

能あるフェラーリは「馬」を隠す

イタリア・マラネッロにあるフェラーリの本社の正門から、通りをひとつはさんだ向かいには、世界最大規模のオフィシャルショップ「フェラーリ・ストア」がある。ハイファッションのアイテムから子供用の玩具まで、まるでテーマパークのようにラインナップされた店内は、ファンならずともぜひ立ち寄りたいスポットだ。

Photographs by Fabrizio GremoText by Akio Lorenzo OYA

Vol.3 フェラリスタの“お得意様サロン”

もうひとつの「フェラーリ・ブランド」

近年フェラーリが開拓してきた新部門は、自動車そのものにとどまらない。その好例が、オフィシャル マーチャンダイズ商品の展開である。2011年には、モンテゼーモロ前会長によって、高級紳士服で有名なブリオーニ・グループの社長を務めていたアンドレア・ペッローネ氏が同部門のトップとして迎えられたことからも、フェラーリのオフィシャル商品展開への意気込みが伝わってくる。

フェラーリの聖地、マラネッロを行く Vol.4|Ferrari

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オフィシャルショップ「フェラーリ・ストア」は現在、世界に約30店を展開している。近年では国際空港内の免税店「トラベルリテイル」にも力を入れている。インターネット ショッピングも順調だ。

ただしライセンシーの数は、かつて100近くあったものを60にまで絞った。そのリストには、最大のライセンシーである「プーマ」をはじめ、シューズメーカーの「トッズ」や高級リストウォッチの「ウブロ」など、錚々たるブランドが名を連なっている。成長とプレステージを見事なバランスで“操縦”するストラテジーは、本業譲りといえよう。

フェラーリの聖地、マラネッロを行く Vol.4|Ferrari

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「フェラーリ・ストア・マラネッロ」は、フェラーリ本社正門と道をはさんだ向かいにある。2013年、大幅増床してリニューアル・オープンを果たした。

案内してくれたブランド・プロモーション部のヴィルジニア・シャッカさんによると、マラネッロ店はアブダビのテーマパーク「フェラーリ・ワールド」内のストア、そしてミラノ店に次ぐ規模である。

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フェラーリの聖地、マラネッロを行く Vol.4

能あるフェラーリは「馬」を隠す(2)

Ferrari Prlma(フェラーリ・プリマ・コレクション)

フェラーリ・ストアの店内には、F1マシンやGTカーをイメージさせるアイテムが並ぶほか、キッズ コレクションも充実している。「生まれたばかりの赤ちゃんから、13-14歳までカバーしています。大人向けをそのままダウンサイジングしたものもありますので、ファミリー全員で楽しんでください」と、ヴィルジニアさんは説明する。

特筆すべきは、「Ferrari Prlma(フェラーリ・プリマ)」と名付けられたラインである。マラネッロ店には、そのために一室が設けられている。カタログの説明によれば、「創業時の精神を最高のかたちで具現化したもの」であり、最上のマテリアルを厳選した、ウェアを中心とするコレクションだ。

フェラーリの聖地、マラネッロを行く Vol.4|Ferrari

フェラーリの聖地、マラネッロを行く Vol.4|Ferrari

実際の商品を見てみる。フェラーリの商品でありながら、有名なプランシング・ホース(跳ね馬)やFerrariのロゴは極めて控えめだ。いっぽうで、たとえば実車両のヘッドレストに用いられているのとおなじ素材が、さりげなくアクセントとしてあしらわれていたりする。まさに、大人のコレクションである。

ペッローネ氏による昨年のプレゼンテーションから引用すれば、「エルメスなどを愛用していた人が、このコレクションも選ぶ」ことを想定している、という。能ある鷹は爪を隠す、ならぬ、能あるフェラーリは馬を隠す。といったところだ。

ところでファションといえば、セレブリティによる“貸し切り”が有名である。もしやとおもってヴィルジニアさんに聞けば、やはりフェラーリ・ストア・マラネッロ店でもかつてあったそうだ。

フェラーリの聖地、マラネッロを行く Vol.4|Ferrari

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「サッカーチーム『パリ・サンジェルマン』のズラタン・イブラヒモヴィッチ選手や、ロックバンドのジャミロクワイが、貸し切りで楽しみましたよ」と教えてくれた。夏にはジョージ・ルーカス監督が俳優のサミュエル L.ジャクソン氏を伴ってひとときを過ごしたという。

そうした顔ぶれだけ聞いてもフェラーリ・ストアは、一自動車ブランドのオフィシャルグッズショップの域を超えて、もはや一流の“ブティック”なのである。

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