BMW Concept Gran Coupe|ダイナミックかつエレガントな4ドアクーペ
BMW Concept Gran Coupe|ビー・エム・ダブリュー コンセプト グランクーペ
ダイナミックかつエレガントな4ドアクーペ
BMWは、北京モーターショーにおいて、5シリーズのセダンをベースとした4ドアクーペ「コンセプト グランクーペ」を公開した。
文=ジラフ
5シリーズセダンより100mm低いボディ
このたびお披露目されたBMW コンセプト グランクーペのデザインテーマは、「ダイナミックかつエレガント」。
全長は約5,000mmと5シリーズのセダンよりも100mm長いが、全高は1,400mm以下で100mm低い。その数字からはやや大柄なサイズを想像するが、サメをイメージしたというシャープなノーズやゆるやかに伸びたルーフライン、フラットなシルエットは大きさを感じさせず、非常に個性的なデザインに仕上がっている。
またLEDをヘッドランプ、テールランプのほか、リアガラスに設置された第3のストップランプにも採用するなどのアイデアが取り入れられているあたりも、コンセプト グランクーペならではだ。
市販モデルと言っても過言ではない仕上がり
2007年4月の上海モーターショーで発表された、4ドアクーペのスタディモデル、「コンセプトCS」は業績の悪化で市販が見送られらたが、このコンセプト グランクーペは、すでに市販モデルといっても過言ではない仕上がり。
次期「6シリーズ」からの派生車種として、年内には正式発表されるのでは? という楽しみな噂も広まっている。
BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。
Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。
その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。
ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。