BMW M6 Competition Limited Edition|さらなる走りを追求したM6
BMW M6 Competition Limited Edition|ビー・エム・ダブリュー M6 コンペティション リミテッドエディション
さらに走りを追求したM6
BMWは「M6」の限定モデル「コンペティションリミテッドエディション」をフランクフルトモーターショーにおいて、ワールドプレミアする。
文=ジラフ
全世界で限定100台
ベースとなるM6は2005年にデビューしたモデルで、0-100km/h加速4.7秒、最高速は250km/h(リミッター作動)という性能を備えたスポーツクーペだ。搭載されるエンジンは5.0リッターV10(507ps、53kgm)。
今回披露される、コンペティションリミテッドエディションは、このM6の走りをさらに追求したモデルで、ダンパー、スプリング、スタビライザーの設定変更のほか、EDC(エレクトリック・ダンパー・コントロール)も専用チューンされているという。また、車高をフロントで12mm、リアで10mm低くしたことにより、よりスポーティでアグレッシブな雰囲気、そして優れたハンドリングが得られた。
エクステリアとインテリアは、ともにBMWのカスタマイズ部門「BMWインディビジュアル」が担当。ボディカラーにはフローズングレーという専用色、インテリアにはオールレザーの「メリノ」と「シルバーストーン」の2種が設定される。
また、ルーフライニングにはシリアルプレート、サイドシルには「M6コンペティション」のロゴが設置されている。
M6コンペティションリミテッドエディションは、全世界で限定100台がリリースされるという。
BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。
Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。
その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。
ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。