ROLLS-ROYCE GHOST|新世代ロールスの価格を正式発表
ROLLS-ROYCE GHOST|ロールス・ロイス ゴースト
新世代ロールスの価格を正式発表
ロールス・ロイスは9月のフランクフルトモーターショーで正式デビューする「ゴースト」のエンジンスペック、そして価格を発表した。
文=ジラフ
ロールス・ロイスのオーラは健在
この「ゴースト」は、今年3月のジュネーブモーターショーにおいて「200EX」として公開されたモデルの市販車バージョン。そのボディサイズは全長5399×全幅1948×全高1550mm、ホイールベース3295mmと、現行の「ファントム(全長5835×全幅1990×全高1655mm、ホイールベース3570mm)」より一回り小さいのが特徴。
小さいとはいうものの、逆ヒンジで開閉するリアドアや最高のレザー&ウッドがふんだんに使われた室内、押し出しの強いエクステリアデザインなど、ロールス・ロイスだけがもつオーラは顕在だ。
英国での価格は16万5000ポンドから
今回発表された新開発6.6リッターV12ターボエンジンのスペックは、最高出力570ps/5250rpm、最大トルク79.5kgm/1500rpmというもの。この数値は現行ファントムに搭載される6.75リッターV12エンジンの最高出力460ps、最大トルク73.4kgmを軽く上回っている。このエンジンにZFと共同で開発が進められた8速ATを組み合わせることで、0-100km/h加速4.9秒、最高速は250km/h(リミッター作動)という動力性能を現実のものとした。
気になる新型ゴーストの価格だが、英国では16万5000ポンド~(約2570万円~)、ヨーロッパ各国では21万3000ユーロ~(約2840万円~)、また北米では24万5000ドル~(約2300万円~)とアナウンスされる。英国、ヨーロッパでは年内、日本でも2010年4月以降に、納車が開始される予定だ。
BRAND HISTORY
ヘンリー・ロイスとチャールズ・ロールスが初めて会ったのは1904年のこと。イギリスでモーターなどを手がけていたロイス社が、新しいビジネスとして自動車を試作したところ、評判を聞きつけたロールスがこのクルマを試乗に訪れる。その仕上がりの良さに感銘を受けたロールスが、ロイスがつくるクルマの販売を申し入れたのがロールス・ロイスのスタートになった。
高級車ブランドとしてその名を知らしめたのは、1906年に生産を開始した「40/50HPシリーズ」。6気筒エンジンを搭載したこのモデルは、後に「シルバー・ゴースト」と呼ばれるのだが、そのエンジンの滑らかさや静粛性、クルマとしての高い信頼性、そして、質の高い素材による仕立の良さから、上流階級から大きな支持を得ることとなった。ロールス・ロイスのマスコットとして知られる“スピリット・オブ・エクスタシー”が生まれたのもこの時代だった。
その後、1929年には「ファントム」を世に送り出し、1931年には同じイギリスのベントレーを買収するなど順調な歩みを進めた同社。第二次世界大戦中は航空機エンジンなどに専念する時期もあったが、1947年から自動車の生産を再開。ファントムシリーズをはじめ、「シルバークラウド」「シルバーシャドウ」といった名車をつくりだしていく。しかし、1971年に航空機エンジン部門の不振から会社が倒産。この際、航空機エンジン部門は切り離され、残された自動車部門は一時政府の管理下へ。そして1980年にはヴィッカーズ社の傘下となった。
さらに1990年代後半にはフォルクスワーゲン(VW)とBMWによる買収劇が巻き起こる。混乱の末、工場とベントレーのブランドはVWの手に渡り、一方、BMWはロールス・ロイスの名前だけを手に入れる。そして2003年、新体制のもとで開発が進められてきたファントムにより、ロールス・ロイスは新しい歴史を踏み出すことになった。