Ferrari |「599」のレース専用モデル「599XX」を初披露!
Ferrari 599XX|フェラーリ 599XX
レース専用モデル「フェラーリ 599XX」を初披露
すべての技術を集約した、究極のスポーツカー
5月10日に行われた「フェラーリ・フェスティバル・ジャパン 2009」において、ジュネーブ国際自動車ショーで発表されたレース専用モデル「フェラーリ599XX」が公開された。
Photo by JamandfixText by OPENERS
ハイアマチュアをターゲットとしたサーキット走行専用車
「599XX」は、599をベースに開発されたサーキット走行専用車で、ユーザーもハイアマチュアをターゲットとしている。実際、フェラーリでは2010年と2011年に「599XX」限定のサーキットイベント・プログラムを実施予定だ。このレース専用仕様モデルは、公式レースでの使用を前提としていないため、ホモロゲーション(認可)や法制度上の制約を受けることがなく、最高の技術が集約されているという。空力学的機能および電子制御機能、革新的なハンドリング技術がはじめて一台に集結し、フィォラノのラップタイムはわずか1分17秒、ニュルブルクリンクのタイムは7秒をマークした。そのデータからも、このマシンは真のテクノロジカル・ラボラトリーといえるだろう。
フェラーリのもつ最高の技術を集約
フェラーリ「599XX」は、ベースとなる599からトランクアクスル・レイアウトやエンジンは流用しつつ、フェラーリのもつ最高の技術を集約したモデルとして登場した。フェラーリのエンジニアたちは、エンジンの燃焼室や吸排気管の改良に注力し、内部摩擦を減少させることで最大回転数9000rpm、目標出力700ps/9000rpmを実現。また、エンジンユニットの構成部品の重量削減にも着目し、新型クランクシャフトに見られるような部品形状最適化と、インテーク・プレナムにカーボンファーイバーを使用するなどの特殊部品採用により、大きな成果を上げたという。
さらに、新しいギアボックス・シフト・ストラテジーにより、ギアチェンジにかかる時間は全体で60ms(ミリ秒)に短縮された。
革新的な電子制御装置を採用
そしてさらに、このモデルでは「ハイ・パフォーマンス・ダイナミック・コンセプト」と呼ばれる革新的な電子制御装置を採用している。これは、クルマのさまざまな機械的限界の組み合わせを電子制御することで、極限のパフォーマンスを求められる状況下においても着実にラップタイムを刻むことができる装置だ。また、第2世代のSCMサスペンション・システムを採用し、スポーティなハンドリング性能に磨きをかけている。
空気の流れをスムーズにし、負荷を低減
エアロダイナミクスは、幾多の風洞テストを経て生み出され、時速200kmで280kgものダウンフォースを誇る。特徴的なのは、「アクティフロウ」と呼ばれる、コーナリング時の車体の姿勢に応じてダウンフォースを増加し、負荷を低減させるシステムだ。トランク内に設置された2つのファンにより車両下部の気流をテールライト横の2つのグリルから排出。また、後部のフレームにウイングレットを追加しダウンフォースを向上させたり、車両後部に空気の流れをスムーズにするシンセティック・ジェットを組み込み、抵抗を減少させた。
もちろんF1の技術もフィードバック。ブレーキディスクやホイールリムの一部をF1仕様の「ドーナツ」で覆うF1独自の技術を採用し、より効果的なエアロダイナミクスとブレーキの冷却性を実現した。
また、「599XX」に装着されているスリックタイヤ(フロント:29/67 R19、リア:31/71 R19)は、コーナリングにおける安定性と横加速度を最大化するために特別に開発されたものだ。
このフェラーリは、同社の有するすべての技術を集約した、究極のスポーツカーといえるだろう。