Ferrari|日本初披露! フェラーリ・カリフォルニア
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2015年4月17日

Ferrari|日本初披露! フェラーリ・カリフォルニア

Ferrari California|フェラーリ・カリフォルニア

「フェラーリ・フェスティバル・ジャパン2009」で

「フェラーリ・カリフォルニア」を日本初公開!

5月10日、静岡県「富士スピードウェイ」で行われたサーキットイベント「フェラーリ・フェスティバル・ジャパン2009」において、2008年5月に発表され、今夏発売となる「フェラーリ・カリフォルニア」が日本初公開となった。

Photo by JamandfixText by OPENERS

フェラーリは現在、V12エンジンとV8エンジンを搭載したモデルをラインナップしているが、「フェラーリ・カリフォルニア」は、ハイパフォーマンスを誇るフェラーリのV8ファミリーに属す。V12エンジンを搭載したフラッグシップ「612 スカリエッティ」の系譜を継ぐGTカテゴリーの最新モデルで、リトラクタブルハードトップ、「2+」コンセプト、直噴V8エンジン、新型7速デュアル・クラッチトランスミッション、F1スタイルのパドルシフト付きステアリングホイール、新型サスペンションシステムなど革新的な機能が搭載されている。インスピレーションは、フェラーリが誇る名車のひとつである1957年の「250 GTカリフォルニア」から得ているという。

Ferrari California|フェラーリ・カリフォルニア|フォトギャラリーへ

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なめらかでエアロダイナミックなスタイリング

スタイリングは、現行の他のモデルと同様、ピニンファリーナ社との長年のコラボレーションによりフェラーリ特有のスタイリングキューを体現。ボンネット中央に位置するグリルとスレンダーなエアインテークが「250 GTカリフォルニア」を彷彿させる。サイドから眺めると、エアロダイナミクスを追求した流麗なフロントラインと、ボリュームを抑えたテールやプルバックキャビンが絶妙なコントラストだ。また、リトラクタブルハードトップはわずか14秒で開閉。卓越したスポーツ性能を誇りながらも、洗練された高級感を醸し出している。

エアロダイナミクスは言うまでもなく、そのスタイリングと連携して開発された。車両ダイナミクスの最適化に必要なダウンフォースに対してCd値(空気抵抗係数)を最低限に抑えることに成功し、ルーフを閉めたクーペ状態でのCd値は0.32に。また、垂直負荷と抵抗とのあいだの最適なバランスを実現するため、リアディフューザーとフロントバンパーの一体型スポイラーの形状に改良をくわえ、抵抗はほかのフェラーリモデルと比較して10%の低減に成功。それにより、エアロダイナミクスの効率性が高まると同時に、燃費を低く抑えることも可能となった。また、ボンネット上のエアインテークにより、エンジンルームの冷却効果が高まったことも大きな特徴だ。

ミッドフロントに新型V8エンジンを搭載

エンジンは、フェラーリのロードカー史上初となる、ミッドフロントに搭載されたV8ユニット。総アルミ製で、2つのシリンダーのバンク角を90度に、クランク間の角度を180度に保つなど、典型的なフェラーリアーキテクチャーを踏襲している。総排気量は4300cc、最大出力は460hp(338kW)/7750rpmで、リッターあたり107hpという傑出したパワーを発揮。最大トルクは485Nm(49kgm)/5000rpmで、わずか2250回転でその75%を発生する。4秒足らずで0kmから100km/hに到達し、最高速度は310km/hを誇るという。

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研究を重ね実現した、理想のエンジン音

さらに、エンジン音にも徹底的にこだわった。乗員の快適性を損なうことなく、フェラーリの特徴であるスリリングなサウンドを体感できるよう、ルーフが開いた状態と閉められた状態両方での音の認識について研究を重ね、ドライビングプレジャーを高めるサウンドが生まれた。

ギアボックスとトランスミッション

トランスミッションでは、いまや定番となったF1スタイルのパドル付ステアリングホイールと新しいデュアルクラッチ・ギアボックス(7速+リバース)が装備されている。これは、パフォーマンスと快適性を両立させる革新的なシステムだ。デュアルクラッチ・ギアボックスでは、クラッチの一方は偶数ギアに、他方は奇数ギアに使用されるため、次に必要なギアを事前に選択することが可能。ギア変更時には、両クラッチのオープン段階とクローズ段階がオーバーラップし、ギアシフト時間が限りなくゼロに近く、トルク変動もなくなる。また、エンジンをフロント、ギアボックスをリアに配置することで、完璧な重量配分とボディシェルの振動の低減を実現させた。


「フェラーリ・カリフォルニア」のデリバリーは6月以降で、価格は2360万円。すでに多くのバックオーダーを抱えており、現在オーダーを入れても、納車は1年から1年半後だという。

ボディ|全長4563×全幅1902×全高1308mm、ホイールベース2670mm、フロントトラック1630mm、リアトラック1605mm
車両重量|1630kg
重量配分|フロント47%・リア53%
トランク容量|340リットル(ルーフ閉)・240リットル(ルーフ開)
タイヤ|フロント245/40 ZR19インチ、リア285/40 ZR19インチ
ブレーキ|フロント390×34mm、リア360×32mm(カーボンセラミック)
エンジン|90°V型8気筒 直噴エンジン、ボア×ストローク94×77.37、総排気量4,297cc、圧縮比12.2:1
最大出力|338kW(460PS)/7,750rpm
最大トルク|485Nm(49kgm)/5,000rpm
パフォーマンス|最高速度310km/h、0-100km/h加速4.0秒、0-400m加速12.2秒、0-1000m加速22.1秒
トランスミッション|F1、デュアルクラッチ、7速+リバース
サスペンション|ダブル・ウィッシュボーン(フロント)、マルチリンク(リア)
燃料消費|ECE基準13.1リッター/100km
CO2排出|ECE基準305.6g/km
価格|2360万円

BRAND HISTORY
“カヴァリーノ・ランパンテ”、日本では“跳ね馬”と称されるエンブレムに胸躍らせるファンは少なくない。サーキットではその激しい走りに観衆は熱狂し、ストリートでは端麗なシルエットと甲高いサウンドで人々を魅了するクルマ、それがFERRARI(フェラーリ)だ。F1、市販車のいずれにおいても、スピードを極めるこのブランドは、創業者であるエンツォ・フェラーリの情熱がいまなお強く息づいている。

1898年にイタリアのモデナで生まれたエンツォは、10歳のときボローニャで見たレースに感激し、いつしか自分もレーシングドライバーになろうと思うようになる。一途な思いは着々と実現へ向かい、1920年、エンツォはついにアルファ・ロメオのテストドライバーとなった。そして、同じ年のタルガ・フローリオではアルファのドライバーとして参戦、見事2位の記録を残している。

しかし、やがてエンツォの興味はレーシング・チームを運営することへと移り、1929年にスクーデリア・フェラーリを立ち上げて、アルファのレース活動を引き受けることに。その手腕を発揮するにもかかわらず、1939年にはアルファとの関係は解消され、第二次大戦後の1947年、自前のV12エンジンを積む「フェラーリ125」を引っさげてレース活動を再開。ここからスポーツカーブランドとしてのフェラーリが歩みはじめた。

その後、フェラーリはフィアット傘下に入り、現在はフィアットグループの会長を兼任する社長のルカ・モンテゼーモロのもとで、ブランドの魅力を高め続けている。ラインアップは、V12エンジンを積む「599」と「612スカリエッティ」、V8のミドシップスポーツ「F430」「F430スパイダー」、そして、スポーティさを極めた「430スクーデリア」の5モデルである。

           
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