ROLLS-ROYCE 200EX|ファントムの弟分
Car
2015年4月20日

ROLLS-ROYCE 200EX|ファントムの弟分

ROLLS-ROYCE 200EX

ファントムの弟分

ロールス・ロイスは、コンセプトカー「200EX」を3月から開幕するジュネーブショーに出展することを発表した。

文=ジラフ

エンジンは新開発のV12

200EXは、全長5399×全幅1948×全高1550mm、そしてホイールベースは3295mmというボディサイズをもつ4ドアサルーンで、ファントム(全長5835×全幅1990×全高1655mm、ホイールベース3570mm)よりも一回り小さなモデルとして開発が進められている。

このモデルの特徴は、後席ドアに後ろヒンジ式のコーチドアを採用したことで乗降性が高められたことにある。また一歩車内に足を踏み入れると、ベージュ色の本革シート、天井の裏張りに採用されたカシミア素材、サントスパリサンダーを用いたウッディなインテリアが、ワンランク上のラグジュアリーを演出していることがわかるだろう。

このコンセプトカーは、2010年に市販が予定されるニューモデル「RR4」のスタディモデルとして発表されるが、エンジンに新型のV12ユニットを搭載する以外の詳細は一切不明。続報が入り次第、お知らせしたい。

BRAND HISTORY
ヘンリー・ロイスとチャールズ・ロールスが初めて会ったのは1904年のこと。イギリスでモーターなどを手がけていたロイス社が、新しいビジネスとして自動車を試作したところ、評判を聞きつけたロールスがこのクルマを試乗に訪れる。その仕上がりの良さに感銘を受けたロールスが、ロイスがつくるクルマの販売を申し入れたのがロールス・ロイスのスタートになった。

高級車ブランドとしてその名を知らしめたのは、1906年に生産を開始した「40/50HPシリーズ」。6気筒エンジンを搭載したこのモデルは、後に「シルバー・ゴースト」と呼ばれるのだが、そのエンジンの滑らかさや静粛性、クルマとしての高い信頼性、そして、質の高い素材による仕立の良さから、上流階級から大きな支持を得ることとなった。ロールス・ロイスのマスコットとして知られる“スピリット・オブ・エクスタシー”が生まれたのもこの時代だった。

その後、1929年には「ファントム」を世に送り出し、1931年には同じイギリスのベントレーを買収するなど順調な歩みを進めた同社。第二次世界大戦中は航空機エンジンなどに専念する時期もあったが、1947年から自動車の生産を再開。ファントムシリーズをはじめ、「シルバークラウド」「シルバーシャドウ」といった名車をつくりだしていく。しかし、1971年に航空機エンジン部門の不振から会社が倒産。この際、航空機エンジン部門は切り離され、残された自動車部門は一時政府の管理下へ。そして1980年にはヴィッカーズ社の傘下となった。

さらに1990年代後半にはフォルクスワーゲン(VW)とBMWによる買収劇が巻き起こる。混乱の末、工場とベントレーのブランドはVWの手に渡り、一方、BMWはロールス・ロイスの名前だけを手に入れる。そして2003年、新体制のもとで開発が進められてきたファントムにより、ロールス・ロイスは新しい歴史を踏み出すことになった。

           
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