FERRARI 430 SCUDERIA|フェラーリ 430スクーデリア
FERRARI 430 SCUDERIA
フェラーリ 430スクーデリア
シューマッハーが開発にたずさわったスポーツカー
V8ミドエンジンフェラーリの運動性能を極めるべく、「F430」にさらに磨きをかけたスポーツカーが、2007年に登場した「430スクーデリア」だ。その名前が示すとおり、430スクーデリアにはF1チームのスクーデリア・フェラーリが培った技術が各所にちりばめられるうえ、“皇帝”ことミハエル・シューマッハーがその開発に深く関わったことが興味をそそる。
搭載するV8エンジンは、排気量こそF430と同一だが、ピストン形状やインテーク/エグゾーストシステムの最適化などにより20psアップの510psを達成。
組み合わされるギアボックスも、F1タイプ・ギアボックスに改良を加え、シフトタイムを切り詰めたF1スーパーファースト2ギアボックスに進化している。
F430に初めて搭載されたE-Diff(電子制御ディファレンシャル)は、同様にF1の技術を受け継ぐトラクションコントロールの“F1-TRAC”と統合されてE-Diff2に生まれ変わった。これにより、コーナーから脱出する際の加速は、従来のトラクションコントロールに比べて40%もの向上を見せる。
さらに、クルマのセッティングをドライバーが自由に選択できる“マネッティーノ”は“レーシングマネッティーノ”に置き換えられ、トラクションコントロールをカットできるモードが備わるなど、スポーツ走行に意識した内容となった。カーボンセラミックブレーキも標準で装備され、サーキットのスポーツドライビングをよりエキサイティングにしてくれそうだ。
フェラーリ 430スクーデリア
ボディ|全長4515×全幅1925×全高1120mm
エンジン|4.3リッターV型8気筒
最高出力|375W[510ps]/8500rpm
最大トルク|470Nm[48.0kgm]/5250rpm
駆動方式|MR
トランスミッション|6段F1スーパーファースト2
価格|3026万1000円
(2008年5月26日現在)
BRAND HISTORY
“カヴァリーノ・ランパンテ”、日本では“跳ね馬”と称されるエンブレムに胸躍らせるファンは少なくない。サーキットではその激しい走りに観衆は熱狂し、ストリートでは端麗なシルエットと甲高いサウンドで人々を魅了するクルマ、それがFERRARI(フェラーリ)だ。F1、市販車のいずれにおいても、スピードを極めるこのブランドは、創業者であるエンツォ・フェラーリの情熱がいまなお強く息づいている。
1898年にイタリアのモデナで生まれたエンツォは、10歳のときボローニャで見たレースに感激し、いつしか自分もレーシングドライバーになろうと思うようになる。一途な思いは着々と実現へ向かい、1920年、エンツォはついにアルファ・ロメオのテストドライバーとなった。そして、同じ年のタルガ・フローリオではアルファのドライバーとして参戦、見事2位の記録を残している。
しかし、やがてエンツォの興味はレーシング・チームを運営することへと移り、1929年にスクーデリア・フェラーリを立ち上げて、アルファのレース活動を引き受けることに。その手腕を発揮するにもかかわらず、1939年にはアルファとの関係は解消され、第二次大戦後の1947年、自前のV12エンジンを積む「フェラーリ125」を引っさげてレース活動を再開。ここからスポーツカーブランドとしてのフェラーリが歩みはじめた。
その後、フェラーリはフィアット傘下に入り、現在はフィアットグループの会長を兼任する社長のルカ・モンテゼーモロのもとで、ブランドの魅力を高め続けている。ラインアップは、V12エンジンを積む「599」と「612スカリエッティ」、V8のミドシップスポーツ「F430」「F430スパイダー」、そして、スポーティさを極めた「430スクーデリア」の5モデルである。