BMW 6シリーズの2ドアモデルを発表
BMW|ビー・エム・ダブリュー 6 Series
新6シリーズの本命、2ドアクーペがお目見え
BMWは、30日より開幕されたパリモーターショーにおいて、「コンセプト6シリーズクーペ」を公開した。
文=ジラフ
シャークフェイスを彷彿とさせる独特なスタイリング
今回パリで発表されたのは、次期6シリーズの2ドアクーペを示唆したモデル。4月の北京モーターショーで公開された、4ドアクーペ版のスタディモデル、「コンセプトグランクーペ」は鮫をイメージしたシャープなノーズやアグレッシブなデザインを特徴とする独特なスタイリングを纏っていたが、この2ドアも同様に個性的な表情をしたクルマとなった。
そのほかにもBMWでは初となる、デイタイムランニングライト機能つきオールLEDヘッドランプや、10.2インチモニターつきの「iドライブ」コントロールディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、そしてこのたびパートナー契約を結んだ、デンマークにおける老舗オーディオブランド「バング&オルフセン」のハイエンドなサラウンドオーディオシステムなどを、オプション装備として採用することも発表されている。
次期6シリーズは、今回発表される2ドアクーペ&カブリオレが2011年、4ドアクーペは2012年のデビューが予定されている。デザインの完成度の高さからみても、このコンセプトカーが市販されるクルマそのものと考えて問題はないだろう。
BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においてもてねに高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。
Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。
そのあとも革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。
ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。