藤原美智子|2010年6月エッセイ「“叩く”美容法で肌が目覚めた!」
BEAUTY / THE EXPERTS
2015年1月30日

藤原美智子|2010年6月エッセイ「“叩く”美容法で肌が目覚めた!」

「“叩く”美容法で肌が目覚めた!」

ちょうど2週間前、「とりあえず2週間、試してみて。絶対に肌が変わるから」と教えてもらった美容法がある。それは“叩く”というものであり、某女優のマネージャーのひとに教えてもらった美容法である。

文=藤原美智子
写真=原恵美子

鍛える論を唱えるマネージャーと女優の肌はたしかに変わった

数ヵ月ぶりにその女優と撮影でご一緒したときのこと。彼女の肌が見た目も触った感じもすごく変わっていたので、「すごく肌の調子いいですね。エステ効果ですか?」となんとはなしに件のマネージャーに聞くと、「それもあると思うけど……。でもね、一番は肌を叩いているからだと思うの!」という返事。うん? なになに? 肌を“叩く”とは。それは文字どおり、手の平全体を使って肌を叩くということらしい。もちろん、ただ叩くのではなく、そのときに肌に水分を入れ込むつもりでパン! パン! と叩くのだそうだ。

たとえば、顔を洗ったらタオルで拭きとらずに水分がなくなるまで顔をパンパン! 化粧水をつけたら同様に浸透するまでパンパン! ポイントはパッティングなんて生易しいものではなくパンパンという音が響きわたるくらいの強さで、そして肌に垂直に手の平が当たるように叩くこと。こする感じにはしないように叩くことだという。

「へぇ~」と興味津々で聞いている私の隣で一緒にレクチャーを受けていたスタイリストのひとが、「でもー、肌ってなるべく刺激を与えないほうがよいって言うじゃない? そんなに強い刺激を与えて大丈夫かしら……」とつぶやいた。すると、マネージャーが聞き逃さずに「あら、肌は甘やかすとダメなのよ。鍛えなくちゃ!」と確信をもって切り返した。うーん、どちらの意見にも一理ある……。でも、鍛える論を唱えるマネージャーの肌はもちろんのこと、それを実行している女優の肌もモチモチ・つやつやの肌に変わった。それに「これは某歌手のひとが若いときからズーッと実行している美容法なのよ。だから彼女の肌はたるんでいないでしょ」と言う。たしかに、その歌手は熟年層といわれる年齢になったいまでもハリがあって顔全体がピッと引き上がっている。さらに某有名バレエダンサーも実行しているとのこと。顔を思い出すと、これまた彼女もピッとした肌の持ち主だ。ということで私は、これは試してみる価値がある! と判断した次第である。

私の薄くてヤワだった肌がスパルタ教育を受けて、俄然、ヤル気をだしてきた

さて、その日の夜、さっそく試してみることに。まずは洗顔したあと、水が顔から滴り落ちているうちに肌をパンパン! 最初はどれくらいの強さで“叩く”といいのか見当がつかなくて、強のパッティングというレベルでやってみたが、音が響きわたらない。「慣れないうちは肌が赤くなるかもしれないけど」と言っていたことを思い出して、さらに強く叩いてみると、やっとパンパンと小気味いいほどの音が部屋中に鳴り響いた。これこれ、これくらいの強さでやるといいのかもね。案の定、はじめて強く叩かれた刺激に肌はビックリしたようで赤くなっている。でも、不思議に思ったのは洗顔したあとのただの水分を入れ込む感じで叩いただけなのに、肌がサラーッと気持ちいい感じになったこと。タオルで拭いていたときはすぐに化粧水をつけないとただ突っ張ってしまうだけなのに……。これは良いかもと、つぎは化粧水をつけてパンパン! いままでコットンにつけてしばらくパックするように顔に乗せて浸透させる方法をとっていたのだが、それよりも断然、浸透率が高い。それにコットンパックするよりも化粧水が全然少量でいいし、しっとりするのに時間もかからない。このことは聞いていなかったので、なんだか得した感じである。

それから2、3日は肌が安定してないような感じだったが、それを過ぎたら赤みもおさまり、肌がふっくらモチモチとしてきた。私の薄くてヤワだった肌がスパルタ教育を受けて、俄然、ヤル気をだしてきた感じだ。それに気をよくして乳液やクリームを塗ったあとにもパンパンしてみたのだが、これはどうやら肌に刺激がかかりすぎるようだ。あくまでも“水分系のもののあとに叩く”のが良いようである。そして先日、思いついて美容液系のシートマスクをした上から叩いてみたが、これは大正解! ただ乗せるだけよりも浸透して効果的だった。普段、私は美白系と保湿系の化粧水を2種類使うので、洗顔後の水分をふくめるとそれぞれ30秒ずつ、計1分半ほど叩いている勘定になる。それくらいの時間で肌が向上するのだからお手軽・お得な美容法といえるだろう。

この美容法を聞いてから、ちょうど2週間。予想どおりに、肌は確実に変わった。私は理屈・理論よりもピンときたら試してみるという実行・体験派なのだが、今回も試してみてよかった! ということのひとつとなった。もちろん、失敗に終わることもたまにあるが、それでもなにごとも、やってみなければわからないものだ。それに失敗したとしても、“これは私には合わないのね”という知識がひとつ増えるのだから。それにしても、この美容法を知人に話したら、「知ってる、知ってるー! このあいだ、テレビで紹介しているひとを観たよ」という返事。なーんだ、知らなかったのは私だけかしら……!?

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