藤原美智子|12月エッセイ「ベスト・コスメ 藤原美智子選・番外編」
いままで雑誌で推薦する機会のなかったものを紹介
名付けて、「藤原美智子選・番外編」!
ここ数年、雑誌の世界では一年間、あるいは上半期や下半期それぞれに発売された化粧品のなかから、「ベストコスメ」を決める企画物が定番になっている。主に美容ジャーナリストやヘア・メイクアップアーテイストがアンケート項目ごとに、それぞれ「これが、いい!」と思う化粧品名を書きこんで提出し、その集計によってベストが決まるというものだ。
文=藤原美智子Photo by JAMANDFIX
ぜひ使ってみてほしい、お薦め5品です
私はこのアンケートを書きこむとき、悩むことがある。それは、最近知って気に入ったのに新商品ではなかった場合。気持ち的には推薦したいのに、できないというジレンマに悩むのだ。あるいは、気に入っている商品があっても、それに該当するアンケート項目がない場合。または、今年以前に発売されたものが優秀すぎて、それを超えるものに出会っていない場合。そんなときは「これは、これで良いけど……。でも、やっぱりいままで使っているもののほうがいいなー」などと悩んだ末、その項目は白紙のまま提出することもある。またはひとつのブランドにお気に入りが集中している場合。いくら気に入っているとしても、なんかまずいかなーなどと気にしてみたり……。あとは、できるだけ媒体(メディア)のターゲット層に合うものを、と考えてみたり。アンケートというものは真剣に考えれば考えるほど、頭も時間も使うものなのだ。
いま、オウプナーズでも「BEAUTY&HEALTH」のコーナーで3週にわたって、今年の「ベストコスメ」が発表されている。私も選出者のひとりとして商品を選んでいるのだが、やはり上記のような葛藤(大袈裟!?)を経て、私なりのベストを推薦している。そのへんを加味しながら見てもらうのもおもしろいかも。
そこで今回の連載は、オウプナーズや、いままで雑誌で推薦する機会のなかったものを紹介してみたい。名付けて、「藤原美智子選・番外編」!
まずは、スキンケア商品の「Sylvan(シルヴァン)」のフルライン。これはフルラインで優秀なもの、という項目のある企画がなくて推薦できる機会がなかった商品である。突出したスター選手がひとりいるよりも、ひとりひとりが優秀でチームワーク力のあるほうが勝つ場合もあるのだもの。コスメグランプリにも“フルライン賞”みたいなものがあるといいのにと思うのだが、どうだろうか。
さて、この「シルヴァン」は蘭の花から水分保持力が高い成分が発見され、その成分を抽出してヒアルロン酸の約2倍の保湿力に高めたものである。商品構成はクレンジングや洗顔料のほか、美容液や化粧水、乳液、クリームの6点。私はあまりフルラインで使うことが少ないのだが、これはなぜか素直にフルで使いたくなる商品なのだ。優しい気持ちになるような感触のせいなのか、どれを使ってもホッとするような安心感があるからなのか。使用感は肌の奥までシットリと染み込む感じで、美容液、化粧水、乳液とステップを踏むごとにうるおいに満ちた肌に。とくに、これからの乾燥する季節にお薦めである。
乾燥つながりで、もうひとつお薦めしたいのがハンドクリームの「レチノバイタル クリーム」(フェルゼア)。これは皮膚代謝を高めて肌をなめらかにするレチノール誘導体や尿素、ヒアルロン酸ナトリウムが配合されているもの。しっとりとするのに(透明感もでるような気がする!)、べとつかず瑞々しい使い心地が気に入っている。私はこれを手だけではなく、かかとのガサガサにも愛用。入浴中に軽石でかかとまわりをこすったあとに塗り、遠赤外線ソックスをはくと、より浸透してスベスベなかかとに。
全身の“すべすべ”用グッズとして愛用しているのは、「絹羽二重 珠の肌」(京都シルク)。これはスキンケア用として厳選された絹羽二重でつくられているパフ。私は主に小鼻や首まわり、身体用として使用。石鹸で身体を洗って洗い流す前に、濡らして軽く絞ったこのパフで優しくなでるだけでツルツルの肌に。週一度のスペシャルケアとして……。
歯の美しさも“美”には重要な要素。私がここ半年ほど愛用しているのは、ナチュラル成分でつくられている「ピールデンタルファイバー」と「ピールエクストラクト ゴールド」というもの。これは、どちらもアフリカやインドのひとたちが昔から歯ブラシ代わりに愛用している“ピールの木”からつくられているもの。天然のホワイト効果があるし、これで磨くとスッキリ! 使い方は水で濡らした歯ブラシにファイバーをつけて、その上に液状のエクストラクトをたらして使います。両方を使ったほうが、より効果的。
次はリフトアップできるヘアブラシの「ポアンジュリフトブラシDX」(アイビオ化粧品)。これはブラシの先端に膀胱系、胆系、三焦系に働きかける天然鉱石が付着されていて、これで頭皮の東洋医学の経絡に沿ってブラッシングすると顔がリフトアップされるというもの。最初、「ん~、そんなのあり?」と半信半疑で説明書通りにブラッシングしてみたら、なんと目もとがパッチリ! まさに“恐るべし、東洋医学!”という効果なのだ。それにブラッシング感もまろやかな刺激で、とても気持ちがいい! 私の絡みやすい髪の毛でもスーッと通るところも気に入っている。
以上、今年、ご紹介できるチャンスがなかったものを取り上げることができて(勝手にではあるが)、心残りがなくなりスッキリ! 来年はどんな良いものたちに出会えるか楽しみです!
皆様、良い年をお迎えください! 来年も、どうぞ宜しくお願いします。