連載・藤原美智子 2014年6月|正しい筋肉の使い方をすると、カッコイイ歩き方になる!
目指せ、外人歩き! 正しい姿勢で歩けるようになってきて朝の散歩が楽しい
「正しい筋肉の使い方をすると、カッコイイ歩き方になる!」
最近、歩くのが楽しくて面白い。というと、「ウォーキングしているの?」と思うかもしれないが、そんな大したことではない。やっと骨盤を使いながら歩けるようになったのがうれしくて、「へぇー、ちゃんと歩けるって、こんなにも気持ち良いんだー」と、早朝に普通の靴を履いて近所を散歩している程度のこと。
藤原美智子さんと“マダムHACCI”水谷仁美社長の「最新クレンジング」対談
Photographs&Text by FUJIWARA Michiko
ランニングから、ピラティスへ移行した理由
じつは1年以上前から、それまで習慣にしていた朝のランニングを止めている。それは右太ももの後ろ側(ハムストリングス部分)と左股関節と右膝に痛みが出るようになったから。その治療のためにマッサージや整体に通っていても、なかなか痛みがとれない。「困ったなー」と思っているときに閃いたのがピラティスに通うこと。運動をしていて特定の筋肉に痛みがでるということは、身体の使い方が悪いからにほかならない。ということは、痛みを解決するには正しく身体を使いこなせるようになるしかない! それにはピラティスで正しい筋肉の使い方を身につけるのがいいだろうと判断し、そして正しく筋肉を使えるようになるまではランニングを中止することにしたのである。
ハムストリングスや股関節や右膝が痛くなるもともとの原因は自分でもよくわかっている。一つは、子どものときから左股関節が亜脱臼ぎみなこと。もう一つは長年のヘア&メイクの仕事で身についてしまった悪い姿勢。つまり右の鼠蹊(そけい)部を縮めて膝を内側に曲げ、左の股関節をグッと外側に突き出してメイクするという姿勢だ。そして、がっちりと仙骨の辺りを固めて身体のバランスをとるのだから、「どうぞ、身体を歪ませてください!」と言わんばかりの姿勢になるのである。ゆえに仙骨は出っ張っているし、周辺の筋肉は異常に硬くなってしまった。昔は、寝るときに仙骨が当たるので長時間、仰向けの姿勢はできなかったほど。それを自分でストレッチをしたりヨガをしたり整体に通ったりして、ちょっとずつ良くなってきていたが、それでも筋肉が正しく使われていないままランニングをしていたので、そうした箇所に痛みが出てしまったというわけである。
骨盤の可動域が広がってきて、気持ちよく歩ける!
そして週一度、ピラティスに通い出してから1年ちょっと。最近、その成果が如実にあらわれてきた。仙骨の出っ張りは目立たなくなってきたし、仙骨と骨盤の繫ぎ目の仙腸関節にしなやかさが出てきたせいか骨盤の可動域が広がって、お尻周りの筋肉も上手に使えるようになってきた。ほかにも、正しい姿勢を保つために重要な広背筋を意識できるようになって、いつも上がり気味だった左の肩が下がってきたし、胴も細くなってきた。それに縮んでいた右の腸腰筋にしなやかさが出て正しく使えるようになってきたせいか、鼠蹊部の縮みがゆるんできたし、骨盤の後傾も治ってきた。ついでに、そのおかげなのか下腹のポッコリも平らになってきた……などなど。ほかにも良くなってきたことがたくさんあるのだが、これらの効果のおかげで正しく歩くけるようになってきたのだ。
さて、歩いていて何が面白いかというと、伸びやかに気持ちよく歩けること。外人の歩き方のように、ゆったりと大きな歩幅で歩けるようになってきたのだ。その歩き方を説明すると、骨盤の上側にある中殿筋のあたりから脚を動かしながら歩くということだろうか。そうすると大きな歩幅でゆったりと歩ける。コンパスを長く使えているという感じだろうか。
そうした歩き方とは逆に日本人に多いのは、膝から下の足だけを使ったチョコチョコ歩き。以前の私の歩き方も、まさにそんな感じだった。おまけに私は脛の前側で足を前に出すようにして歩いていたので疲れやすいし、いつも脛の前側が張っていてスポーツマンのような足の形をしていた。それが脛を使わない歩き方になってきたおかげで、以前よりも脚の筋肉のポッコリ感が目立たなくなってきた。それにこの歩き方だと疲れないし、何よりも歩いているときの姿がカッコイイ(と、自分では思っている)!
歩くときに3つ意識して、外人歩きを目指す
ところで朝の散歩のときに何を履いて歩いているのかというと、ランニングシューズでもペタンコ靴でもなく、少しヒールのある歩きやすい靴。ヒールのない靴だと、まだ骨盤が意識しづらいのだ。5、6センチくらいヒールがある方が骨盤を意識できるし背筋も気持ちよく伸びて、外人のように歩ける。とはいっても、ただボーッと歩いてはまだまだカッコイイ歩き方にはならないので、意識していることが3つ。まず足の親指の付け根の拇指球の辺りに体重をかけるようにすること。後ろ足の膝の裏側を伸ばすようにしながら歩くこと。そして骨盤から動かすようにして、歩幅を大きくすること。これらを意識して歩くと、外人歩きになる(ように思う)。そのためにも、 2013年8月の連載で紹介した、足裏の感覚を目覚めさせるテニスボールを踏むエクササイズはお薦めだ。
そうそう、ピラティスのレッスンのおかげで腹筋と背筋もついてきたし、首や体幹も強くなってきた。これも正しい姿勢で歩けるようになった一因になっているように思う。つまり“歩く”ことは身体全体を使う動作であり、逆にいえば、身体全体の筋肉を正しく使えなければ正しい歩き方もできない……、というのは、素人的な私の体感から得た気づきだが、“当たらずと雖(いえど)も遠からず”といったところではないだろうか。
それにしても散歩に出かけるのは朝の5時半前。その時間帯にヒールのある靴を履いて歩いているのだから、行き交うひとには“朝の散歩”というよりも“朝帰りのひと”と思われているかも……!