連載・藤原美智子2017年11月|来春夏のトレンドはシャネルのリップパウダーに凝縮されていた!?
BEAUTY / THE EXPERTS
2017年11月24日

連載・藤原美智子2017年11月|来春夏のトレンドはシャネルのリップパウダーに凝縮されていた!?

連載・藤原美智子2017年11月|2018年春夏のトレンドメイクは「ミニマムメイク」

来春夏のトレンドはシャネルのリップパウダーに凝縮されていた!?

2018年春夏のトレンドで私が気になったのは、スモーキーがかったピーチピンクやパステルブルーやグリーン、イエロー、またはオレンジといったカラーのルック。はしゃぎ過ぎず攻撃的でもなく、そして軽やかで心が浮き立つような色のファッションに心惹かれました。そんなファッションに似合うメイクは?と考えた時に、パッと浮かんだのは来年2018年1月5日(金)に発売されるシャネルのリップパウダー「プードゥル ア レーヴル」(特別限定品)。フワッと染まったかのように仕上がるこのリップが、来春夏のファッションのイメージにピタリと重なったのです。

Photographs & Text by FUJIWARA Michiko

ポイントは「していないように見えること」

ところで来春夏のメイクのトレンドを一言で表すなら「ミニマムメイク」でしょうか。素肌のように見えるベース作り。目元や頬は色をあまり目立たせず、リップも素唇のような印象。唯一のポイントは斜め上に毛流れを立ち上げたり、自然な太眉に描いたりする少し強めの眉。

フレッシュでリアリティビューティといった印象のメイクがトレンドのようです。これはヘアメイクアップアーティストとしては心踊るトレンドですが、リアルな大人の女性は(20代前半までの女性以外)、このトレンドを鵜呑みにしては危険。肌には隠したい部分は少なからずあるだろうし、目元のメイクを何もしなかったら寝ぼけた印象になってしまうかもしれないし、チークやリップで血色をプラスしなければ、昨夜の徹夜がバレてしまうかもしれないし……!

でも心配はご無用。何もランウエイを歩くモデルたちも、あくまでも素顔風であって、リアルに何もメイクをしていないということではないということ(ほとんどが10代ではあるけれど)。あくまでも“素顔風”に見えるように、細やかにメイクを施しているのはコレクションの写真からでも見て取れます。

大事なのは“していないように見える”こと。眉以外のメイクについては、肌は薄付きに見えるけれどカバー力のある優秀なリキッドファンデーションを選び、パウダーは極力少量。目元を明るく見せるためにハイライトカラーを瞼に塗る。またはベージュで自然な凹凸感に仕上げる(でも日本人がベージュを使うと、くすんで見えてしまうので注意。そして“影色”は欲しいところ)。上瞼のまつ毛の内側に隠しアイラインを引いて、頬はピーチ色で自然な頬色に。

そして唇は口紅かグロスを塗った後に全体をティッシュで押さえたり、輪郭をぼかしたりして色が染まっているかのように仕上げる。このような唇に仕上げると“塗っている感”が薄れて、顔全体までが自然な印象に。

染まった唇にこそトレンド感が!

今回新しく発売されるシャネルのリップパウダーはまさに、そんな唇の印象に仕上がる製品。左側の白いバームを唇に塗ってから、右側のリップパウダーを付属のチップかブラシでサッサッと塗ると染まっているような仕上がりになり、元々の唇の色?というような印象になります。それにバームの艶が唇の丸みに沿って自然に艶めくので、ふっくらとした唇に見えるのも嬉しい。

このようなリップの仕上がり感にこそ、来春のメイクトレンドが凝縮されているように思うのです。つまり“している”けれど、“していない”ように見えるリアリティメイクということです。そして、このようなメイクをするとフレッシュ感をまとうこともできます。是非、来春のメイクレシピの参考にしてみて!

CHANEL|プードゥル ア レーヴル<特別限定品>
発売日|2018年1月5日(金)
価格|4400円(税抜)

           
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